民主党代表選は、菅直人首相を支えてきた「主流派」が野田佳彦財務相の擁立で連携できるかが序盤の焦点になってきた。立候補する意向を固めた野田氏を支えるグループ内では、前原誠司前外相らの協力に期待する声が出ている。しかし前原氏のグループ内には財政規律を重視する野田氏の路線に不満もくすぶり、共闘は簡単ではない。
「野田氏の政策を理解してください」。野田氏の支持グループの若手議員は、野田氏が10日発売の月刊誌に寄稿した論文を手に国会議員の事務所を訪ねている。若手の一人は「特に前原氏の支持グループに期待している」と語り、多数派形成を有利に進める戦略を描く。
民主党の「主流派」は昨年6月の菅政権発足で首相支持を明確にし、政権を支えてきた前原氏、野田氏、首相をそれぞれ支持するグループが中心だ。
野田氏を支持する議員グループは約30人で、前原氏と首相の支持グループはそれぞれ約50人を擁する。重複する議員もいるが、合わせれば約130人に上る小沢一郎元代表の支持グループに匹敵する勢力になる。
前原氏は過去の代表選で野田氏と協力したことがある間柄。菅グループは税と社会保障の一体改革などで菅政権の路線を支持し、野田氏の掲げる政策とは近い議員が多い。こうした事情を背景に野田氏周辺はまず主流派の結束を強化し、そのうえで小沢グループを含めた党内融和を進める姿勢を示している。
ただ前原グループ内には前原氏の立候補に期待する声があがり、すぐに野田氏支持でまとまるような気配はない。
前原氏は11日夜、都内で枝野幸男官房長官や仙谷由人官房副長官をはじめ親しい議員と会談した。前原氏は立候補を促した出席者に「今回は準備期間をとりたい」と語り、出馬見送りともとれる発言をしたが、今後の対応については明言しなかった。前原氏は18日にメンバーとの意見交換会を開いたうえで、対応を最終判断する考えだ。
野田氏の財政規律を重視する姿勢が結束に影響する空気も漂っている。前原グループの若手は「野田氏が増税路線を鮮明にすれば支持できない」と語る。野田氏は菅内閣の重要閣僚であり、支持率が低迷した政権の「継承」と見られかねないことへの抵抗感もある。
菅首相を支持するグループは、首相が成果と位置付ける社会保障と税の一体改革や「脱原発」といった考え方を引き継ぐ候補を推す姿勢を見せている。ただ積極的には動きにくく、このままでは他の候補の「草刈り場」となりかねないとの危機感が漂う。約20人が集まった11日の会合では結束して行動することを確認するにとどまった。
野田佳彦、前原誠司、菅直人、小沢一郎、枝野幸男、仙谷由人
| 日経平均(円) | 8,963.72 | -18.22 | 12日 大引 |
|---|---|---|---|
| NYダウ(ドル) | 11,269.02 | +125.71 | 12日 16:30 |
| 英FTSE100 | 5,320.03 | +157.20 | 12日 16:35 |
| ドル/円 | 76.81 - .84 | +0.17円安 | 13日 5:32 |
| ユーロ/円 | 109.45 - .50 | +0.61円安 | 13日 5:32 |
| 長期金利(%) | 1.040 | +0.005 | 12日 15:42 |
| NY原油(ドル) | 85.72 | +2.83 | 11日 終値 |
経済や企業の最新ニュースのほか、大リーグやサッカーなどのスポーツニュースも満載 詳細ページへ
日経ニュースメール(無料)など、電子版ではさまざまなメールサービスを用意しています。
(詳細はこちら)