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岩手の薪「五山の送り火」での使用を中止
京都の「五山の送り火」で岩手県の薪を燃やす計画をめぐり、岩手から京都に届いた薪から放射性セシウムが検出されたため、京都市は送り火での薪の使用を断念した。市の姿勢に批判の声も上がっている。
京都市は12日、緊急の会見を開き、岩手から届いた薪の表皮の部分から一キログラム当たり1130ベクレルの放射性セシウムが検出されたため、送り火での薪の使用を中止すると明らかにした。
送り火をめぐっては、岩手・陸前高田市の松を、五山の一つ「大文字」で燃やす計画が一旦中止となった後、批判の声が相次いだことを受けて、11日に大文字を含む五山全てが別の薪500本を受け入れることを決めたばかりだった。
京都市は「全ての人の理解を得るのは難しい」として薪の処分を検討しているが、「数値が安全かどうかではなく、セシウムが検出されたことを理由に薪の使用を中止した」とする市の姿勢に批判の声も上がっている。
今回検出された放射性物質の量について、国際放射線防護委員会(=ICRP)・稲葉次郎元委員は「びっくりするような数値では全くないと考えています」と話した。また、この松を薪として燃やした場合についても、「灰は残るわけですが、灰を人が摂取するような機会はあまりないのかなと思います。人への健康影響という観点では、あまり心配する必要はないと思っています」と述べている。
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