2011年「夏の甲子園ヒーロー」 一流投手の敵はスピードガンか?
今大会で一ファンとして、注目している投手がいる。帝京高校(東東京)の伊藤拓郎投手である。2009年夏の大会で、1年生としては史上最速の148キロを記録し、スカウトも高く評価しているのは説明するまでもないだろう。中学生の硬式クラブチーム日本一を決める『ジャイアンツカップ』なる大会がある。3年前のその大会を取材する機会に恵まれ、そこで伊藤投手の剛速球を目の当たりにした。「速い」−−。そのひと言しかでなかった。そして、その素質を再認識させられたのは、『ジャイアンツカップ』終了から約1カ月後。中学硬式クラブの強豪チームを個別取材したときだった。中学3年生たちはすでに公式行事を終えていたが、練習には参加しており、『進路』のことでも指導者たちに相談していた。
そこで、高校でも投手を続けたいと話す中学3年生たちは“衝撃的な言葉”も発していた。
「帝京高校には行きたくありません」
理由は、伊藤投手にあった。「伊藤投手が帝京高校を第一希望校に挙げている」との情報が各硬式クラブチームに広がっていた。「彼と同じ高校に進めば、エースになれない」「試合に出られない」というのが、同校を避ける理由だった。
“伊藤回避”を口にしたクラブチームの投手は、1人や2人ではなかった。同じジャイアンツカップに出場した投手たちにすれば、直接対決しなくても、スタンドで観ている。彼の素質は認めざるを得なかったのだろう。
個人的には、ストレートで相手打者をねじ伏せる投手が好きである。ジャイアンツカップでの伊藤は、そういうピッチングだった。もっとも、スピードガンと喧嘩するだけでは、高校球界で通用しない。それなりの好成績を残せたとしても、さらに上のレベルに行けばどうなるのか分からない。
そんな伊藤投手が速球の使い方を変えてきた。力でねじ伏せるのではなく、キレ、制球力などの『精度』を高めるようになった。残念ながら、直接取材する機会には恵まれなかったので、スタンドで東東京大会を観戦した個人的な感想である。
伊藤投手にもスピードガンの数値を気にし、必要以上に三振数にこだわっていた時期もあったという。だが、他の取材記者によれば、「今の伊藤クンは勝つことを最優先に考えている」と言う。それが投球フォームの改造にも繋がったのだろう。ジャイアンツカップ時代は右膝を大きく折り曲げ、全身の力をボールに込めるような投げ方だったが、今夏の東東京大会、甲子園では、ゆっくりと投球モーションから右腕をしならせるようにして投げていた。
米国では力でねじ伏せるだけのタイプや、スピードガンの数値ばかりを気にする投手を「ピッチャー」とは呼ばない。「スローワー」と揶揄される。変化球、緩急、打ち損じを誘う技術を修得して、初めて「真の投手」として認められるそうだ。
伊藤投手は花巻東との初戦を4回途中で降板している(8月7日)。その後は一塁の守備に入り、3番打者としての役目を全うしていたが、後続にマウンドに譲った後もモチベーションを維持するのは簡単なことではない。守備中でも二番手・石倉投手に檄を飛ばしていた。
彼が「ピッチャー」としてだけではなく、野球選手としても、大きく成長したのは間違いなさそうである。(スポーツライター・美山和也)
【他にはこんな記事も!!】
WBC分配金交渉 「脈ナシ」と分かっていても渡米した真相は?
王座初防衛に成功したボクシング世界王者・井岡一翔が亀田興毅超えた!
新庄氏ショック! 父の死に傷心の帰国
そこで、高校でも投手を続けたいと話す中学3年生たちは“衝撃的な言葉”も発していた。
「帝京高校には行きたくありません」
理由は、伊藤投手にあった。「伊藤投手が帝京高校を第一希望校に挙げている」との情報が各硬式クラブチームに広がっていた。「彼と同じ高校に進めば、エースになれない」「試合に出られない」というのが、同校を避ける理由だった。
“伊藤回避”を口にしたクラブチームの投手は、1人や2人ではなかった。同じジャイアンツカップに出場した投手たちにすれば、直接対決しなくても、スタンドで観ている。彼の素質は認めざるを得なかったのだろう。
個人的には、ストレートで相手打者をねじ伏せる投手が好きである。ジャイアンツカップでの伊藤は、そういうピッチングだった。もっとも、スピードガンと喧嘩するだけでは、高校球界で通用しない。それなりの好成績を残せたとしても、さらに上のレベルに行けばどうなるのか分からない。
そんな伊藤投手が速球の使い方を変えてきた。力でねじ伏せるのではなく、キレ、制球力などの『精度』を高めるようになった。残念ながら、直接取材する機会には恵まれなかったので、スタンドで東東京大会を観戦した個人的な感想である。
伊藤投手にもスピードガンの数値を気にし、必要以上に三振数にこだわっていた時期もあったという。だが、他の取材記者によれば、「今の伊藤クンは勝つことを最優先に考えている」と言う。それが投球フォームの改造にも繋がったのだろう。ジャイアンツカップ時代は右膝を大きく折り曲げ、全身の力をボールに込めるような投げ方だったが、今夏の東東京大会、甲子園では、ゆっくりと投球モーションから右腕をしならせるようにして投げていた。
米国では力でねじ伏せるだけのタイプや、スピードガンの数値ばかりを気にする投手を「ピッチャー」とは呼ばない。「スローワー」と揶揄される。変化球、緩急、打ち損じを誘う技術を修得して、初めて「真の投手」として認められるそうだ。
伊藤投手は花巻東との初戦を4回途中で降板している(8月7日)。その後は一塁の守備に入り、3番打者としての役目を全うしていたが、後続にマウンドに譲った後もモチベーションを維持するのは簡単なことではない。守備中でも二番手・石倉投手に檄を飛ばしていた。
彼が「ピッチャー」としてだけではなく、野球選手としても、大きく成長したのは間違いなさそうである。(スポーツライター・美山和也)
【他にはこんな記事も!!】
WBC分配金交渉 「脈ナシ」と分かっていても渡米した真相は?
王座初防衛に成功したボクシング世界王者・井岡一翔が亀田興毅超えた!
新庄氏ショック! 父の死に傷心の帰国
スポーツトピックス
- 大手が報じない松田さんの女癖
- 誰もが認める日本のエースが誕生
- 松田さんの葬儀に元妻欠席のワケ
- 韓国戦 Jリーガーではダメだった
- 美しいサッカーより大切なこと
- 国歌独唱が酷かった問題点を指摘
- メジャーで飼い殺されて妻が激怒
- プロ野球は本当にWBCの辞退か
- TBSアナ発言 甲子園に抗議の事態
- もはや亀田が必要なくなったTBS
関連ニュース:高校野球
- 「小説の読み方の教科書」を書き、それを伝えていくのがぼくの使命ハックルベリーに会いに行く 08月12日14時18分(37)
- 過密日程と注目度100倍でなでしこヘトヘトゲンダイネット 08月10日17時00分(5)
- 首つり自殺伊良部「震災チャリティー」まで断られた絶望死(2)週刊実話 08月12日14時00分(3)
- 金沢、歳内を攻略=高校野球・金沢―聖光学院時事通信社 08月12日19時10分
- 横浜、金沢などが3回戦進出 全国高校野球選手権第7日共同通信 08月12日19時05分
スポーツ写真ギャラリー
関連商品
Yahoo!ショッピング
スポーツアクセスランキング
- あの伝説の女子プロレスラーが風俗嬢へ!リアルライブ 12日19時45分 (22)
- 2011年「夏の甲子園ヒーロー」 一流投手の敵はスピードガンか?リアルライブ 12日18時30分 (3)
- 元サッカー日本代表・松田直樹選手の死去で、新聞・テレビが報じない″ある話″とは
メンズサイゾー 12日07時00分 (161)
- 37年ぶり 圧勝劇はなぜ起きたのかゲンダイネット 12日17時00分 (28)
- とんだ応援団?習志野高に“音の暴力”疑惑ZAKZAK(夕刊フジ) 12日17時00分 (6)
- 亭主の代わりに……ゲンダイネット 11日17時00分 (101)
- 「エースの誕生、エースの不在」キリンチャレンジカップ 日本-韓国(3-0) Blog版「蹴閑ガゼッタ」 11日14時30分 (1)
- 故・松田直樹選手の告別式に元妻が出席できなかった理由とはNEWSポストセブン 11日16時00分 (212)
- 日韓サッカー、ロック歌手の国歌独唱 「歌えてない」とネットで物議J-CASTニュース 11日20時10分 (113)
- 王座初防衛に成功したボクシング世界王者・井岡一翔が亀田興毅超えた!リアルライブ 11日19時30分 (33)