稲わらで包んだ「水戸納豆」で知られる茨城県水戸市の納豆メーカーの組合が、稲わらから国の目安を超える放射性セシウムが検出されたことで、お土産用の納豆の売り上げが落ち込んだとして、来月にも東京電力に損害賠償を請求することになりました。
損害賠償を請求するのは、茨城県納豆商工業組合水戸支部です。水戸納豆は稲わらで包んだわら納豆が全国的に知られていますが、組合によりますと、原発事故のあと、茨城県を訪れる観光客が減ってお土産用の売り上げが落ち込み、特に稲わらから国の目安を超える放射性セシウムが検出されて以降は、例年の半分程度の売り上げにとどまっているメーカーもあるということです。このため、組合は売り上げの減少は原発事故の影響だとして、来月にも東京電力に損害賠償を請求する方針を決めました。請求額は、組合に加盟する水戸市の納豆メーカー5社の4月から今月までの5か月間の売り上げの減少分で、合わせて1億円を超えるとみられます。茨城県納豆商工業組合水戸支部の高野正巳支部長は「稲わらの影響で、手に取る客も減っています。原発事故による影響は、当初は少ないと思っていましたが、時間が経つにつれて売り上げの落ち込みが大きくなり、深刻な状況です」と話しています。