福島第一原発の事故で同県郡山市の水田の土壌を調べたところ、放射性セシウムの一部が深さ約15センチまで浸透していることが、東京大と福島県農業総合センターの研究でわかった。15日付の学術誌「ラジオアイソトープス」に発表する。
5月下旬に調べた。放射性セシウム134と137の88%は深さ3センチまで、96%は同5センチまでにとどまっていたが、深さ15センチでもごく微量が検出された。
またセシウムが溶けた水が深いところに移動する速度は水の千分の1程度と考えられていたが、実際には10分の1程度と、予想より速いこともわかった。調査を担当した東京大の塩沢昌教授(農地環境工学)は「土壌などの撤去は、放射性物質が表面にあるうちに早くやる必要がある」と話す。(鈴木彩子)
中曽根康弘・元首相は原発推進で絶大な影響力を振るった。技術も制度も当初は米国からの借り物だったが、「自立した国家」を掲げるには原発を主体的に導入したとみせる必要があった。