ほとんどがテープでふさがれた賃貸マンションの集合ポスト(画像を修整し、ポストの一部にある名前を消しています)=7月28日、堺市堺区、飯塚晋一撮影 |
堺市内に、認知症や寝たきりの高齢者がまとまって住む賃貸マンションがあることが、堺市の調査でわかった。ロープが張り巡らされた非常階段、テープで封じられた集合ポスト。住人らは外との交流を制限された状態で暮らしてきたという。市は12日、実態を調べるため立ち入り調査した。
この建物は堺区内にある5階建てマンション(14室)。市によると、認知症や寝たきりの状態にある65歳以上の11人が住み、うち70〜80代の男女4人は生活保護を受けている。
1階には大阪市内の訪問介護業者が訪問介護ステーションとして入り、建物内で食事や入浴、排泄(はいせつ)などの介助サービスをしている。2007年に高齢者の居宅を訪ねる訪問介護事業者の指定を府から受けているが、有料老人ホームとしての届け出はない。
市はこれまでに、生活保護を受けている4人の調査を実施。もとは脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞、圧迫骨折で入院するなどしていたが、頼れる親族らがなく、08年から今年にかけて移ってきたという。1カ月の家賃は3万8千円。通帳を管理された人や、ドアの鍵をもらえず、オートロック式の1階共同玄関を自由に出入りできない人も複数いた。
マンション各室のドアは、部屋の中から開けられない錠が外から取り付けられていたが、鍵は入居者に渡されていなかった。
「生涯被曝」という衝撃的な言葉に、私たち日本人はさらされるようになった。私たちは、どのような考え方に立って一生に浴びる放射線量を抑え込んでいったらよいのか。