宮城県石巻市で、東日本大震災被災者のボランティアらにけがの治療などの医療行為を行っていた男性が日本の医師免許を持っていなかったとされる問題で、この男性が同市の社会福祉協議会に提出した身分証のコピーが、大阪市の住民基本台帳カードのデザインと酷似していることがわかった。同市の住基カードが変造された疑いもある。
男性が提出したカードのコピーには、「医師国家資格認定証」「小児科」などと書かれ、顔写真も入っていた。写真横には、大阪市の市章「みおつくし」のマークが入っており、同市の住基カードのデザインと酷似していた。厚生労働省は「男性の名前での医師登録はなく、認定証も発行していない」としている。
大阪市の担当課長は「事実関係がわからないので何とも言えないが、寝耳に水の話で驚いている。これまで住基カードの発行には細心の注意を払ってきたが、このような使われ方は想定外で、事実なら大変遺憾」と話した。宮城県警はこの男性について医師法違反容疑で捜査しており、同市は警察から協力を求められれば応じたいとしている。【林由紀子】
毎日新聞 2011年8月12日 21時08分(最終更新 8月12日 22時47分)