リカバリーフォージャパン <Recovery For Japan>

◎5月5日(木)

 渡波地区・大宮神社で行われた「まつりで復興・石巻」のイベントに出席、PTSD症状の親子(娘は4歳)の心理相談に応じました。4歳の女の子が、お母さんの言うことを聞かず、噛みつくなどの攻撃的な態度が治まらない。トイレを流す音だけでも、水の音を怖がってしまう、という相談でした。

 4歳の女の子には保育スタッフが対応し、相談にいらしたお祖母さんに、臨床心理士がpsycho education(心理教育)の提供を行いました。その子に起きている状態は精神的な症状ではなく、こうした災害の後にはどんな人でも起こる正常な反応であること。止めさせようとするのではなく「必ず良くなる」ことを周囲の大人の人たちが信じて、子どもに対して支持的に接してあげて欲しい。こうしたお話をするうちにお祖母さんのストレスや不安は少しずつやわらいでいったようでした。

 お祖母さんは、「避難所を訪問してきた『自称カウンセラー』に不信感を持った」と嘆いていらっしゃいました。「話せば楽になります」「お話し下さい」と言われて、恐ろしい津波のなかを一晩中、車の屋根の上で過ごし、次の日にヘリコプターで救出された経験や、強い不安や不眠・中途覚醒がその後も続いている、という話をすると「あなたなら大丈夫。頑張って下さいね」と言われただけでおしまいだったそうです。

 災害のリマインダー(災害そのものを思い起こさせてしまう出来事・風景など)が残っているうちは治療的なPTSDケアは出来ません。ただの「傾聴」をしたがる未熟な心理士さんたちは、被災した方々が避難所などの人間関係のなかでようやく適応しようとされている中で、「傾聴」「傾聴」と言いつつ、被災の一番つらかった思い出を強引に思い出させて、さらなる自律神経失調症状に陥れてしまう危険性を、どの程度に理解されているのでしょうか。
 被災地の人たちが本当に求めているものは、正確な情報、そして正確な知識なのです。自己本位な要求に基づいて活動し、被災した方々をさらなる混乱に陥れる「自称・専門家」に対して、憤りの気持ちが抑えられませんでした。

 この他、牡鹿半島・Y小学校の避難所を再度、訪問して、崩壊した家屋に掛けるためのブルーシートを届けました。牡鹿半島までは車で1時間以上かかりますが、約束したミッションは必ず果たす、というのがRFJのルールです。

 また、水明地区・双葉町・大街道地区の精神科クリニック通院者、生活保護受給世帯などをローラー調査して、ふとんや食料品などの支援物資の配給を行いました。

 H小学校・避難所で、炊き出しのバックアップ(きのこ汁150食)を行いました。H小学校の避難所では、被災の激しかった4か所の地域からきた方々が、4つの班に分かれて生活しています。4つの班の人たちの交流がなかなか進まないので、各班から希望者をつのり、H小学校の調理室を借りて避難所の方々たちが自ら行う炊き出し(週1回)が始まっていました。なかなか軌道に乗らないので、RFJの炊き出しチームが協力して、避難所の方々と協力して炊き出しを行いました。
 味は抜群だったとの「おほめの言葉」を頂き、避難所の方々が2杯も3杯も「おかわり」に来て下さる姿が、とても嬉しかったです。

 夜はそのままH小学校・避難所の夜間巡回活動に入りました。
  1. 2011/05/05(木) 17:49:26|
  2. 活動報告
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