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本日は子どもの命と権利を守るシンポジウム 〜児童ポルノを根絶するために〜に出撃。すっごい警察でした。完全に官製シンポジウム。副知事と熊本市長の来賓あいさつとか、最後の熊本少年少女合唱団の合唱とか、儀式ばった感じが実に行政のセンスだった。公務員っぽいクールビズに人間とか、緑のキャップに防犯って書かれた爺さんとか、明らかに動員な感じの人が多数。帰りに見ると、何台もバスが待機していたし。こうなると、このシンポジウムの予算がどこから出ているか興味が出てくるところ。講演の内容も、児童ポルノ事犯が増えまくっていて、児童ポルノが蔓延していますって感じで、県警の本部長もこんなことを平気で言っていいのかって感じ。被害児童の減少傾向ってのは、警察の統計からも分かるのに、警察は平気で誤ったデータの読み方を喧伝している。
しかし、熊本の児童ポルノシンポジウムが新聞でだけ中学生お断りのわけを聞いてみましたで、中学生お断りなのは刺激が強いからって話だったから、ある程度突っ込んだ議論がなされるのかと思ったが表層をなぞったような話だけ。正直、子供が聞いても大して問題はなさそうな感じだった。二階席には、どこかの高校の運動部らしき短髪の集団がいたしな。
ちなみに来賓は以下のお歴々。
来賓名簿
◆熊本県知事 蒲島郁夫 (代理 村田信一副知事)
◆熊本市長 幸山政史
◆熊本県公安委員 武藤徳子 山崎史郎
◆熊本地方検察庁 検事正 吉田広司
◆熊本地方法務局 局長 谷口幸夫
◆熊本保護観察所 所長 曾根崎哲也
◆熊本少年鑑別所 首席専門官 松田盛雄
◆内閣府 政策統括官付主査 鳥海恭敬
◆警察庁少年課 課長補佐 小林俊夫
◆熊本県議会議員(24名) 荒木章博 泉広幸 岩下栄一 上田泰弘 内野幸喜 浦田祐三子 大西一史 緒方勇二 鎌田聡 鬼海洋一 九谷高弘 小杉直 重村栄 杉浦康治 高木健次 田代国広 中村博生 西聖一 橋口海平 東充美 平野みどり 松田三郎 村上寅美 山口ゆたか
◆熊本市議会議員(11名) 上野美恵子 大島澄雄 落水清弘 紫垣正仁 田辺正信 寺本義勝 西岡誠也 原口亮志 東すみよ 福永洋一 藤岡照代
なんというか、検事正だの、法務局長だの、少年鑑別所だの、警察庁少年課の課長補佐だの、後で何が動いているか丸わかり過ぎる感じ。
で、これが大会宣言
「子どもを守る熊本宣言2011」
子どもは世界の宝、明日への希望です。子どもたちが健やかに育つことは、社会の健全な発展の礎であり、これまでも子どもたちの命と権利を守るための取組が世界中で進められてきました。
しかし、近年、特に、児童を性の対象と見る風潮が我が国をはじめ世界的にも拡大傾向にあり、インターネット上でも児童ポルノが氾濫するなど、子どもたちの人権侵害が深刻な問題となっています。熊本県も例外ではなく、事態は深刻になりつつあります。
私たちは、この状況を真摯に受け止め、熊本の地から世界に向けて、「児童ポルノは絶対に許さない!」とめ強い決意をもって、その根絶に向けて、子どもの命の尊厳と権利を守るための取組を積極的に推進していくことを、ここに宣言します。
平成23年8月10日
そもそも、児童ポルノが氾濫しているのだろうか。第一段落は賛同できるけど。「ポルノ」ってのは、周囲に広大なグレーゾーンが広がっていて本当に難しいと思うのだが。生殖とか、性愛というのは、依然として人間にとって大問題なんだし。冗談抜きに、こういうのが行き過ぎると、人間を具象的に描くの自体禁止とか言い出しそうだから怖い。
出席したパネリストの発言メモ。ざっと取ったノートなので、ニュアンスが変わっている可能性はあり。
一人目は日本ユニセフ協会副会長の東郷良尚氏。以下、箇条書き
概略、こんな感じ。ちなみにSHAREの調査は、Share児童ポルノコレクター数調査のことらしい。これって、調査した用語の選択が適当かどうかを検証する必要があるのでは。あと、ノード数をみると、Winnyの利用者も10万程度とSHAREと変わらないレベルに低下しているな。自分の主張に都合のいい情報を切り張りして、大声で叫びまくるという手法だな。このネットエージェントの調査に対しては、一人歩きする数字:ネットエージェントの調査は非実在青少年まで児童ポルノ扱いしてはいないか?がある。まあ、コメント欄の指摘からすると、かなりの量の児童ポルノを収集する人間がいることは確かなようだが。
続いてパネルディスカッション。といっても、四人のパネリストがそれぞれしゃべるだけって感じだったが。
最初は九大医学部教授の池田典昭氏。14歳以下と以上を分けて、14歳以下に性的興味を持つ層に関して議論している。DSMやICDの分類を引いて、ペドフィリアが病気であることを指摘。子供のみを性的対象にする人間と大人の女性に相手にされないから子供を対象にする人間には大きな差がある。また、複数の性的思考の異常を持つ人間はエスカレートする可能性が高い。監視や精神的治療などの必要がある。といった話。あと、他の人の議論をうけて、児童ポルノを見る者も児童虐待の加害者であり、厳しく罰する必要があると発言。個人的には、日本での児童ポルノの議論は、二次性徴前後で議論を分けないのが問題だと思っている。あと、性的嗜好の異常に関しては、同性愛が疾病から外されたように、社会の情勢によって流動するものであるというのを注意すべきだと思う。年齢に関しても、例えばアラブ圏の一部では、10歳未満との結婚があるように、ペドフィリアという概念が適用できない可能性がある。
続いて危機管理教育研究所代表の国崎信江氏。リスクからいかに子供を守るかといった話。子供がどのような場で被害に遭っているかといった話を中心に。家族や親族などの身近な人からの被害が多く、場所としては自宅内や周辺100メートル以内が多い。あとは、身近な人からの犯罪を防ぐ方法とか、子供を盗撮や外部からの犯行から守る方法とか。震災ストレスで、DVや児童虐待が増加すると指摘する。被災地では、強姦が増えているということも言っていたが、このあたりどうなんだろう。阪神大震災のデマの焼き直しって感じがするが。ジュニアアイドルなどの子供を利用したビジネスも言及。親が知らないうちに言葉巧みに誘っているって話で、おいも屋本舗という店のページをパワーポイントに表示していて、秋葉原ではイベントまで開いているといっていたが、この店のイベントに出るような子供はさすがに保護者の同意を得ていそうだが… しかしまあ、正直理解不能な世界だ、このあたり。
2004年11月奈良市小1女児誘拐殺人事件で容疑者は事件前にも幼児に対するわいせつ行為を繰り返していた
「ロリータ系のポルノビデオを見ていたので、当日、実際にやってみたいと思った」
高校生のとき先輩から小児性愛のアニメビデオをもらったことがきっかけで幼女に興味がわいた。日本ではアニメやコミックのキャラクターに人権はないとして児童ポルノ禁止法の対象から外れている。作品の中には生後間もない乳児が性行為を楽しんでいるかのような内容のものまである。「児童ポルノ、小児性愛のアニメさえなければ潜在的な小児性愛者の欲求を目覚めさせることはなかった。」インターネットのサイトの削除も必要。
と述べているが、Wikipediaの奈良小1女児殺害事件
弁護士はアダルトアニメを高校生の時に見たことが性格を歪ませた原因だと逮捕直後に語ったが、強制わいせつを初めてしたのは14歳の時であり、時期的に合わない。また、一部でフィギュアおたくではないかとデマが流れたが、彼はフィギュアを全く保有していない(これについての詳細はフィギュア萌え族を参照のこと)。アダルト系同人誌も保有していなかった。
とあるのだが。この人の議論も信憑性には疑いを持つ。
三人目は県警本部長の中尾克彦氏。法律的な話やお定まりの児童ポルノ事犯が急激に増えたって話、あとは実際の犯行事例も紹介。エグい話が選んであったがメモし損ねた。宮城や埼玉の愛好家グループ41人が強姦を繰り返すなんて事例が紹介されていてぎょっとした。わいせつ画像 500万枚を押収の事件のようだな。うち四人が強制わいせつや強姦の容疑で立件されているようだ。細かい部分がよく分からない事例だな。
四人目は熊本県環境生活部県民生活局くらしの安全推進課長の松山昌紹氏。主に統計とか、子供の研修会の写真とか。少年犯罪も犯罪被害者数も四割減、福祉犯の被害は三割増で高校生58%、中学生34%、小学生2%。非出会い系サイトの児童被害は平成22年に1541人、ほとんどが携帯電話にフィルタリングをしていなかった。フィルタリングの効果を強調していた。しかし、福祉犯の被害者の半分が高校生ってには、世の中ペドは少ないってことなのかね。
以下、パンフレットのスキャン画像を。
来賓挨拶がでかいというのが笑える。