勉強会で一番大切なことは、「タダ乗り」する人間を減らすことだと思う。ここでのタダ乗りとは、準備をしてきていない、かつ・または、議論に参加しない人のことをいう。
もしかしたら、「単に見学しているだけなら、空気みたいなものだし、それはそれでいいのではないか。」という人がいるかもしれない。しかし、タダ乗りに気を悪くする人が一人でもいるのであれば、タダ乗りは許容しがたい。なぜなら、タダ乗りの人が会に付与する付加価値が(たぶん)ゼロであるのに対し、タダ乗りを嫌う人が負う損失は存在するからだ。ゼロひくマイナスはマイナスだ。タダ乗りする人が与える価値が総体としてマイナスならば、残念ながらご退散をお願いするしかない。それは、決してその人が憎くてそういう訳ではなくて、タダ乗りがフェアでないと思われるからだ。
大学での指導教授だった星野先生は、ずっと「ゼミのような場で発言をしないのは、周囲の人間の知識の泥棒であって、許容されるべきではない」と話していた。これは、本当にそうだと思う。
しかし、タダ乗りを抑止するための仕組み作りはなかなか難しい。勉強会の入会設定をもともと厳しくしておいて、非常に閉じた会にしてしまえば問題は短期的には解決するが、そういった入会制度を採用すると、より良い人が入ってくる可能性が下がってしまう。
なので、可能なかぎりオープンにしておいて、かつ、しっかりと参加してくれる人が入ってくるような勉強会の設計が望ましいということになる。
Economistを読んで議論する会、Economist Readersを始めてからもう1年以上が経つのだけれど、この期間にだいぶ会の作り込みが進んできた。最新の進行は、次のようになる。
1.予め9つの記事が選定され、参加する人は予め記事を読んでくる
2.当日、エクセルの乱数機能を用いて、9つの記事から3つがランダムに議題として選ばれる。発表者も同様に乱数機能を用いて、ランダムに決定される。議論は全員で行う
3.その日の会が終了したら、発表者になった人がそれぞれ次週までに読んでくる記事を3つ選定し、会は終了
4.上記1〜3の繰り返し
全ての議論は英語でなされる。会の目的は、国際会議で議論できる知識とディスカッション能力を身につけることであることに鑑みて、そう決めた。(1年前にこれを提案したときはかなりの反対があったが、最近は賛成多数で可決された)
個人的には、上記の作り込みのうち、「発表者を事前に決めず、当日その場でランダムで選ぶ」というのがとても気に入っている。準備しないで参加してたまたま当てられたときの恐怖は、その人をしっかりと準備させる動機となるからだ。
人は、自らの動機構造と手に入る情報の二つによって動く。動機構造は人それぞれだが、ある程度の傾向は存在する。正しい行動を引き出すためにするべきことは、正しい情報を提示することだ。この方法が完全とは思わないのだけれど、前よりはよいと思う。
(Economistを読む会、"Economist Readers"は、毎週日曜日午前8時から行っています。興味のある方は、お気軽に(とはいえ、上述の通りタダ乗りはお断りですが)ご連絡ください。)
もしかしたら、「単に見学しているだけなら、空気みたいなものだし、それはそれでいいのではないか。」という人がいるかもしれない。しかし、タダ乗りに気を悪くする人が一人でもいるのであれば、タダ乗りは許容しがたい。なぜなら、タダ乗りの人が会に付与する付加価値が(たぶん)ゼロであるのに対し、タダ乗りを嫌う人が負う損失は存在するからだ。ゼロひくマイナスはマイナスだ。タダ乗りする人が与える価値が総体としてマイナスならば、残念ながらご退散をお願いするしかない。それは、決してその人が憎くてそういう訳ではなくて、タダ乗りがフェアでないと思われるからだ。
大学での指導教授だった星野先生は、ずっと「ゼミのような場で発言をしないのは、周囲の人間の知識の泥棒であって、許容されるべきではない」と話していた。これは、本当にそうだと思う。
しかし、タダ乗りを抑止するための仕組み作りはなかなか難しい。勉強会の入会設定をもともと厳しくしておいて、非常に閉じた会にしてしまえば問題は短期的には解決するが、そういった入会制度を採用すると、より良い人が入ってくる可能性が下がってしまう。
なので、可能なかぎりオープンにしておいて、かつ、しっかりと参加してくれる人が入ってくるような勉強会の設計が望ましいということになる。
Economistを読んで議論する会、Economist Readersを始めてからもう1年以上が経つのだけれど、この期間にだいぶ会の作り込みが進んできた。最新の進行は、次のようになる。
1.予め9つの記事が選定され、参加する人は予め記事を読んでくる
2.当日、エクセルの乱数機能を用いて、9つの記事から3つがランダムに議題として選ばれる。発表者も同様に乱数機能を用いて、ランダムに決定される。議論は全員で行う
3.その日の会が終了したら、発表者になった人がそれぞれ次週までに読んでくる記事を3つ選定し、会は終了
4.上記1〜3の繰り返し
全ての議論は英語でなされる。会の目的は、国際会議で議論できる知識とディスカッション能力を身につけることであることに鑑みて、そう決めた。(1年前にこれを提案したときはかなりの反対があったが、最近は賛成多数で可決された)
個人的には、上記の作り込みのうち、「発表者を事前に決めず、当日その場でランダムで選ぶ」というのがとても気に入っている。準備しないで参加してたまたま当てられたときの恐怖は、その人をしっかりと準備させる動機となるからだ。
人は、自らの動機構造と手に入る情報の二つによって動く。動機構造は人それぞれだが、ある程度の傾向は存在する。正しい行動を引き出すためにするべきことは、正しい情報を提示することだ。この方法が完全とは思わないのだけれど、前よりはよいと思う。
(Economistを読む会、"Economist Readers"は、毎週日曜日午前8時から行っています。興味のある方は、お気軽に(とはいえ、上述の通りタダ乗りはお断りですが)ご連絡ください。)
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