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「若い人たちの被曝を肩代わりしたい」500人のシニア部隊が原発事故収束に挑む

BLOGOS編集部

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「若い人たちの被曝を肩代わりしたい」500人のシニア部隊が原発事故収束に挑む

Q:皆さんが現場に入ることで、被曝労働、現場作業員の実態が明るみになる。東電は嫌がるのではないか、抵抗するのではないか。

山田:その通りだと思います。被曝の管理をきちっとやるためには、下請け孫受けに管理責任があり、雇用元に実態が届いていない体制ではムリだ。だが、このことを解決しない限り、長期にわたっての収束作業は出来ない。日本の産業における労働慣行、契約慣行の根源にかかわる問題になってきた。平時ではありえなかったが、(変化が)おきなくてはならない。


Q:20年、30年と、世代をまたいだ中長期に渡る収束作業になっていくが、そのあたりをどう考えているか

山田:7月19日に出された工程表の中期計画には「3年」という数値が入っていた。これは大変におかしい。(収束に)数十年はかかる。工程表のSTEP2までは仮で、そこからが本当の収束作業である。東電の発表資料を細かく読むと色々書いてある。


Q:今現在、行動隊の人数、そしてその集め方(諸条件)は、そして山田さんの決意は?

山田:現在502人です。応募条件は原則として60歳以上、現場での作業経験があること。ただ、原則ですので、40代の方もいます。現場ではいろいろな作業がありますので、制限はしていませんが、6割以上がなんらかの技術・技能をお持ちで、8割以上が60歳以上です。決意との事ですが、私自身はあまり決意をしないで、合理的なことやっているにすぎません。我々の面白い特徴は、「若い人達の被曝の一部を肩代わりしよう」という目標は一致していますが、理念や信念、決意はメンバーでバラバラです。そういう集団です。


Q:ご高齢の皆さんが、あの防護服を着ての作業となると健康面に不安があるのでは?

山田:現在の状況では、保冷剤を入れるくらいしか対応策はないですね。あとは、それぞれが体を鍛えておくしかありません。ただ、誤解しないで欲しいのは、年寄りが何でもやるわけではなくて、出来るところを手伝い、少しでも若い人の被曝を減らしたい。作業は軽いけど、被曝量が多い作業を、我々が代わってやろうと思っています。


Q:中長期的な計画が必要とのことですが、10年、20年後には山田さんもお亡くなりになってしまうかもしれません。福島原発行動隊の中長期的な計画をお聞かせください。

山田:大変厳しいご指摘です(笑)。すでに、私の手には負えない規模になってきておりますので、(行動隊の中に)各種委員会を作りました。私が関わらなくても物事が進む体制作りを始めています。もう一つは、各地方ごとで、独立して広報やリクルート(参加呼びかけ)の体制作りも始めています。私が、なるべく早くいらなくなる体制を作ろうとしています。
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