2011年8月12日 2時34分
九州電力の「やらせメール」問題に絡み、原子力発電本部ナンバー2の副本部長が廃棄を指示していたプルサーマル関連資料には、佐賀県内の議員や自治体関係者らによる九電への要求や要望などの記録も含まれていたことが、関係者の話で分かった。
同社は05年から06年にかけて、玄海原発(同県玄海町)で予定していたプルサーマル発電(09年12月運転開始)の地元了解を得るため、県議や自治体関係者らへの働きかけを強めていた。廃棄を指示した資料の中には、プルサーマルを円滑に推進する見返りとして、九電側が地域振興などの要求、要望を突き付けられていたことが分かる内容の記録が含まれていたとみられる。
06年3月に県と玄海町がプルサーマルを事前了解した後に地元で反対運動が起きた際には、自民党県議が反対に加勢しない見返りに、がん治療施設への誘致協力を九電に求めるなど、実際に九電は当時、地元からさまざまな要望を受けていたことが分かっている。
九電第三者委員会などによると、副本部長は7月下旬と8月5日、同本部の課長級社員と佐賀支社の原発担当課長に資料の廃棄を指示。佐賀支社分は廃棄前に回収したが、同本部の資料は実際に廃棄された。【斎藤良太、石戸久代】