理数系の学習に力を入れている府立高津高校(大阪市天王寺区)など府立・国立計14高校の生徒30人が11〜14日、韓国・全州市で地元の高校生と合同で河川環境調査をする。アジア共通の課題に取り組む若い世代の交流が目的。高津高校で化学を教える藤村直哉教諭(53)の6年越しの日韓交流が実った。
生徒らは高津のほか、府立千里、大阪教育大付属平野高校など文部科学省指定の「スーパーサイエンスハイスクール」から公募で選ばれた。藤村教諭は千里高校に勤務していた2005年から韓国・全州市の教員らと合同で環境調査を進め、06年から数人の生徒を韓国の「川の日大会」に派遣してきた。今回はその拡大版だ。
韓国側は全北科学、全州女子などから高校生27人が参加。日韓混成で8チームをつくり、市内を流れる万頃江(マンギョンガン)の上流と中流で、水質と水辺の魚、昆虫、植物を調査する。結果は写真と英語のポスターにまとめ、発表する。
参加する高津高校2年の奥村康平さん(16)は「これからは日本だけにとどまっていては科学を学べない。日本では見られない動物の生態系を観察したい」と話している。参加者はこれまでに2回、高槻市の芥川で水辺の動植物を調べ、英語のポスターにまとめるなど事前学習を進めてきた。同2年の辻亮祐さん(16)は「観察も大事だが、同世代との交流が楽しみ。全く違う文化を肌で感じてきたい」。
藤村教諭は「良好な水資源の確保は世界共通の課題。日韓の若者が国境を超え、取り組みを長く続けるきっかけにしてほしい」という。(阿久沢悦子)