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「話すが下手で、わかってもらえない!」と悩む人への5つの処方箋
「どうしてわかってもらえない!?」
いいたいことが、うまく相手に伝わらないこと、ありませんか?
仕事の報告や、友だちとの会話、旦那さんや奥さんとの語らい、などなど。
「どうして、わかってくれない?」
「反りがあわないなぁ...」
「私の話ってわかりにくい...?」
眉間にシワをよせられてしまったり、噛み合わなかったりすると、自分は話すのがヘタなんじゃないかと落ち込んでしまうこともあります。(そうやってテンパると、ますます伝わらない!?)
人はコミュニケーションでつながっている生き物です。
大切な人に、いいたいことが伝わらないと、悲しい気持ちになるものです。
一方で、わかりあえたとき、伝わったとき、共感してもらえたとき、「なるほどね!」といってもらえたときは、感動モノです。
「ありがとう!」もう、ハイタッチして、抱きしめあってしまいたくなるような。
理解してもらえる話し方には、「相手との共感をつくる秘密」があります。
次の5つの処方箋を試してみてください。
1.出だしに「あるあるネタ」でラポールを取る
人に新しいことを理解してもらうには、
「すでに相手が知っていることに、新しいことを関連付けるようにする」
ことがとても大切です。
なぜなら、急に新しいことを説明したとしても、人はそれを「自分ゴト」として認識できず、「他人ゴト」のように受け流してしまうからです。
まずは知っている話からはじめて「うんうん!そうだよね、あるある!」と思ってもらって、そこから新しい話に移行するのです。
そのためには、どうしたらいいのでしょう?
話の出だしを、自分と相手の両方が知っている「あるあるネタ」からはじめればいいのです。
「あるあるネタ」で喜怒哀楽を分かち合うことで、相手の理解の下地ができ、「次はどうなるの?」という好奇心を持ってもらうことができます。
こうして共通点を話して人間関係をつくることを、フランス語では「ラポール(橋)をつくる」といい、とても重要だと見なされています。あなたも、飲み会やデートで「あるあるネタ」がばちーん!とハマりあったとき、距離が縮まった!と痛感したことはありませんか?
2.相手にとって「何が当たり前で、何が当たり前じゃないのか」を考える
新入社員だったころや、学校に入学したばかりのころ。
知らないことだらけで、先輩たちの話す言葉や行動がチンプンカンプンだった思い出はありませんか?
しかしここで「先輩のアホ!」と嘆くのは、ちょっぴり酷な話です。
なぜなら、人はだれでも生活にうもれるうちに「何が当たり前で、何が当たり前じゃないのか」の区別がつかなくなってしまうからです(先輩もきっと、その一人です)。
相手の知らない専門用語で当たり前のように話してしまった、相手の知らないものを前提条件に話してしまった。相手に知らない登場人物を説明なしで話してしまった。
あなたもこんな苦い経験はありませんか?
人に伝えるのが上手な人は、「相手にとって、何が当たり前で、何が当たり前じゃないのか」がちゃんと見えています。それを踏まえて話せるから、伝わるのです。
まずは、相手にとって「当たり前じゃないこと」を、紙に書き出してみよう。
自分がはじめて理解したときのシチュエーション、話の筋道、例えを思い出そう。
「知らない人」への想像力と思いやりが「伝わる力」をくれるのです。
3.気づかれないように、コッソリ何回もくり返す
(それ...、前にも一度話したのになぁ...)
こんな風にウンザリしたことはありませんか?
この際「一度でわかってもらう」ことを潔くあきらめましょう。人の脳みそは忘れやすくできているため、くり返し話さないと、伝わらないのです。
しかし、これがむずかしい。
口を酸っぱくしてくり返すと「クドい!」「ウザい!」「飽きた!」と突っぱねられてしまうからです。
「気づかれないように、コッソリ何回もくり返す」
これができるようになると、格段に伝わるようになります。あなたも「単純接触効果」というものを聞いたことがあるかもしれません。人間には、何度も見たり、聞いたりすると、次第によい感情が起こるようになってくる傾向があるのです。
- 違う言葉や文章で、くり返す
- 違う具体例・体験談で、くり返す
- 違う証拠やデータで、くり返す
- 違う引用や逸話で、くり返す
- 上記の4つを織りまぜて、くり返す
あらゆる手段を、総動員してリピート&リピート!
4.「信じていること」だけを話す
何かを伝えようとしたときに、あわててシドロモドロになってしまったことはありませんか?一度そうなってしまうと、もう冷や汗がドバーっとなって止まりません...。
「ああ!やっぱり僕は、話すのが下手なんだ!」と嘆きたくなってしまいます。
しかし、それはあなたが口ベタだからではなく「それを十分に理解していなかった」「それを十分に信じていなかった」からではないでしょうか?
知っていることよりも、「理解している」ことのほうが伝わります。
理解していることよりも、「信じている」ことのほうが伝わります。
信じて話す言葉には、熱っぽさと、真実味と、あなたっぽさが混じり合っています。
それが心の琴線にふれるのです。
深く理解し「確信していること」だけでいいから、伝えましょう。
(そして、信じていないことは、信じてないと、言ってしまいましょう。)
5.「相手の理解スピード」>「自分の話すスピード」
戦場カメラマンの渡部陽一さんの独特の語り口には、引きこまれます。
「実はですね...(間)」ゆっくりじらしながら話されると、「何々?どうなるの?」「次の展開は!?」「もっと早くしゃべらんかい!」と、ムラムラ好奇心をかきたてられ、思わず聞きいってしまうのです。
話上手な人というと、頭の回転が早くペラペラ話す人をイメージしがちです。しかし、そういう人は「相手の理解スピード」<「自分の話すスピード」なので、話の内容が、実はあまり頭に残っていなかったりしませんか?
「私は自分のペースで話しているのか?それとも、相手が聞きたくなるペースで話しているのか?」これを意識して、ゆっくり「じらしの間」をつくって話しましょう。
- もったいぶる ... 「とんでもないことが発見されたんです」(間)
- 期待をつりあげる ... 「これは、スゴイですよ」(間)
- 結論の前で、あえて疑問を投げかける。 ... 「一体どうなったと思いますか?」(間)
- 途中でとめる。 ... 「それでですね...ゴクリ...」(間)
とかく私たちは、焦ったり、緊張したりすると、早口になりがちです。
さすがに渡部陽一さんほど、ゆっくり間をつくるとヒンシュクを買うかもしれませんが(^^;)、いつもより少しスローに話してみると、思ったほか効果があるものです。
だれもがはじめは、話下手だった
「どんなに偉大な話し手も、はじめは皆ヘタクソだった。」
ラルフ・ワルド・エマーソン
はじめから、話すのがうまい人はいません。
それは、だれでも知っていることなのに、私たちは大昔のたった1回のスピーチの失敗を思い出しては「私は話すのがヘタクソだから、わかってもらえない...」と尻込みしてしまうのです。
上記の5つの処方箋には、1つの共通点があります。
それは「相手との共感」を一番大切にしているということです。
「あーあーあー!私はうまくしゃべれているかな!?」
「うわっ、説明が自分でもどこにいったかわからない!」
そんな風に、「自分」のことばかり気にするのは止めましょう。
「相手との共感」に100%意識が移りきったとき、あなたは緊張から解きはなたれ、リラックスし、いつもどおりに楽しんで話せるようになるのです。