孫社長、日本じゃ脱原発なのに、韓国で「原発絶賛」
8月04日17時55分 提供:FLASH
「日本は犯罪者になってしまった」
今年6月下旬、韓国・ソウル市内で開催されたグローバル・グリーン成長サミットの席上で、ソフトバンクの孫正義社長は、原発事故で周辺の国々に迷惑をかけたことを謝罪、冒頭の言葉を述べた。国際会議の場で、生まれ育った国を"犯罪者"とまで言わせたのは、信念である「脱原発」への思いがきわまったせいに違いない。
この訪韓で、孫社長は李明博大統領への表敬訪問も果たした。このとき「脱原発は日本の話。韓国の原発は高く評価している」という発言もしている。日本では脱原発を主張しながら、韓国では礼賛する。これこそ典型的な二枚舌ではないか。孫社長の矛盾した言動を、ネット上でエネルギー問題を論じ、多くのファンがいる金融トレーダーの藤沢数希氏が解説する。
「ソフトバンクは電気を大量に使うデータサーバーを韓国に移しはじめていますが、そこから孫さんの本当の狙いが見えてきます」
韓国では電力の4割以上を原発で作っている。一方、補助金がないと回らない再生可能エネルギーは現状でゼロ。このため、韓国の電気代は日本のおよそ4割ほどの値段なのだという。
「原発を止めることで日本の電気代は大幅に上がります。孫さんは菅首相に働きかけてソーラー発電の全量買取り法案を推し進め、さらに電気代を上げようとしている。それで、自らは電気代の安い韓国へ施設を移転させるわけです。韓国で電気を安く買い、日本では自然エネルギーへの補助金をせしめる。非常に賢いやり方です」
孫社長は自らを龍馬に見立て、「脱原発こそ使命」と主張するが、なんのことはない、単なるビジネスの1つなのだ。もちろん、ビジネスマンであれば商売を優先させるのは当然だが、経済ジャーナリストの町田徹氏は、孫社長の商法を"濡れ手で粟"と批判する。
「太陽光発電は非常に広大な土地を必要とする。自治体からタダに近い値段で土地を貸してもらい、規制緩和でいろいろ優遇され、さらに再生エネルギーの全量を買い取ってもらって儲ける。人のフンドシで相撲を取るのがうまいだけで、社会貢献でもなんでもない」
最近、町田氏は、ソフトバンクが太陽光だけでなく、風力発電にも乗り出していることをスクープした。
「孫社長は5月にこっそりと中規模の風力発電会社に出資しており、その後、自社の定款を変更して電力業界への参入を明確化した。菅首相に働きかけて風力も買取保証させ、本来なら採算にのらないビジネスを10~20年単位で儲ける仕組みをつくりたいんです」
このような姿を見て、「まるで政商だ」と批判するのは、起業家育成塾などを展開するグロービス・グループの堀義人代表だ。「辞書で『政商』を引くと、"政府や政治家と結びつき、特権的な利益を得ている商人"とある。まさに孫さんのことじゃないですか。ハッキリ言って、孫さんは日本を食い物にしているとしか思えない」。
だとしたら、孫社長に「日本は犯罪者」などと貶められる理由はない。だからこそ、堀氏も「孫社長こそ日本をマイナスに導く」と批判を続けているのだ。
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