陸前高田の松を大文字送り火にプロジェクト





京都大文字の送り火

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東日本大震災:被災地の松、一転使用--京都「五山送り火」保存会

毎日新聞 2011年8月10日 東京夕刊
東日本大震災の津波で流失した岩手県陸前高田市の高田松原の松を京都の「五山送り火」(16日)のまきにする計画が中止になった問題で、五山送り火の各保存会で作る「京都五山送り火連合会」(京都市)は10日、現地から別のまきを受け入れ、送り火で燃やすことを決めた。京都市が、現地でまきを管理している団体を通じて500本を取り寄せる。
連合会の田中博至会長(74)によると、京都市から9日に打診があったという。問題の発端となった「大文字」を除く四山の会長で話し合った結果、受け入れを決めた。どの山で燃やすかなど詳細は今後、協議する。田中会長は「犠牲者への鎮魂の思いを込め、静かに霊を送ることができれば。京都は観光都市でもあり、被災地との絆を大切にしたい」などと話した。まきには京都市民にメッセージを書いてもらうことも検討している。
 関係者によると、中止を批判する市民の声が相次いだことを受け、門川大作・京都市長が直接、戸羽太・陸前高田市長に電話で相談し、別のまきを持ち込むことが決まったという。
 一方、大文字保存会の松原公太郎理事長は毎日新聞の取材に対し、門川市長から別のまきの受け入れを打診されていることを明らかにした。松原理事長は「保存会内で検討したい。陸前高田の方々の思いを伝えることが大事。ただ、少し唐突な感じがする」と話した。
また、京都市は五山送り火とは別に、15日に市役所前で開催する平和関連のイベントでも、500本のまきの一部を燃やすことを計画している。500本は11日にも到着予定で、燃やす前に放射性物質の検査を行う方針。もとの計画で燃やされる予定だったまき約340本は8日夜、陸前高田市で精霊の「迎え火」としてすべて燃やされた。【古屋敷尚子、入江直樹】

【震災】京都が使用中止の薪が陸前高田で迎え火に(11/08/09)ANN NEWS

京都で拒否された被災松、夜空焦がす 陸前高田で迎え火 朝日新聞  2011年8月8日22時9分

東日本大震災の津波になぎ倒された岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松でつくった薪をたく、お盆の迎え火が8日、同市矢作町であり、夜空を焦がした。被災者らの願いを記した薪は京都の伝統行事「五山送り火」の大文字で燃やされるはずだったが、放射能汚染を不安視する根拠のない声に押されて中止になった。
約50人の遺族らが迎え火を見守った。「お父さんは最高の父です。ありがとう」「前へ前へ行くぞ」「絆」――。燃された333本の薪の一本一本には、津波で亡くなった人への思いや、復興に向けての決意が記されていた。
母と姉を亡くし、「鎮魂」とフェルトペンで書いた斎藤哲夫さん(51)は「(京都に受け入れられず)やるせない」。祖父母を亡くした高校2年の及川亮さん(16)は「自分の思いが炎とともに届けられたかな」と目を潤ませた。
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津波被災の松で迎え火 京都で中止、陸前高田で 2011/08/08 20:07 【共同通信】

津波で流された岩手県陸前高田2 件市の景勝地「高田松原」の松に遺族らが祈りの言葉などを書き込んだ薪が8日夜、同市で「迎え火2 件」として燃やされた。
当初は京都市の伝統行事「五山送り火」の一つ「大文字」で燃やされるはずだったが、京都市や大文字保存会(同市)に市民から「放射線汚染が心配」などの声が寄せられ、計画は中止。地元で使われることになった。
約300本の薪には犠牲者の名前のほか「姉ちゃんの料理おいしかったよ」「会いたい、会いたい」などと書かれたものも。

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五山送り火:陸前高田市のまき 現地で「迎え火」に毎日新聞 2011年8月8日 22時12分(最終更新 8月8日 22時12分)

大津波で流失した岩手県陸前高田市の高田松原の松を京都の「五山送り火」(16日)のまきにする計画が放射能汚染を懸念する声を受けて中止された問題で、震災遺族らのメッセージが書かれたまきが8日夜、同市を訪れている「大文字保存会」(京都市)の松原公太郎理事長や現地の人の手で精霊の「迎え火」として燃やされた。
保存会のメンバーや遺族らは午後7時から黙とう。「安らかに成仏できますように」などと書かれた333本のまきに点火した。祖母とおばを亡くした栃木県小山市の大学生、斎藤さとかさん(22)は「亡くなった方々の魂も天に昇っていくよう」と炎の上がった空を見上げていた。
京都市によると、中止決定以来、市役所に約250件の電話やメールがあり、大半が中止を批判する声だったという。
松原理事長は遺族らに「ご容赦ください」と頭を下げた。保存会はメッセージを別のまきに書き写して五山送り火で使うという。【大西岳彦、成田有佳】
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京都新聞の記事【 2011年08月08日 22時43分 】

陸前高田市のマツ、「大文字」使用中止に批判集中印刷用画面を開く
 五山送り火の大文字保存会(京都市左京区)が、東日本大震災の津波で倒れた岩手県陸前高田市のマツを使う計画を中止したことに対し、「被災地の思いが無駄にする」「京都に裏切られた」などと批判する意見が、8日までの3日間で京都市に約310件寄せられた。
市への意見はメール約180件、電話約130件などで、所管する文化財保護課は一時電話がつながりにくくなった。京都市民を中心に他府県からも多く、「放射性物質が検出されてないのに中止は疑問だ」「京都のイメージダウンにつながる」などと中止の撤回を求めていた。京都新聞社には福島県内の男性から「仕事で京都の物産を勧めていたが、もうやめます」との電話もあった。
市役所内では8日、取材に対し門川大作市長が「今回の決定は残念で寂しい。市として別の形で実現できるよう協力したい」とコメント。陸前高田市長らにマツの一部を残すよう要望したが、現地から「予定通り燃やす」と返事があった。市議会経済総務委員会でも、市議から「風評被害を広げ、京都の信用失墜にもつながる。観光にもマイナス」との指摘が出た。
一方、陸前高田市では、大文字保存会の松原公太郎理事長が、マツに犠牲者の氏名や復興の祈りを書く作業に協力した地元住民に中止を報告、謝罪した。「迎え火をすることで理解していただいた。地元の人が火をともすのを見守りたい」として、8日はマツを組み上げる作業を手伝った。
燃やす前に、書き込みがあった約300本のマツをすべて写真撮影しており、16日の送り火までに、火床で使うマツの割り木に書き写すという。

毎日新聞 2011年8月8日 12時29分(最終更新 8月8日 12時35分)

「五山送り火」で使用されるはずだったまき=岩手県陸前高田市で、小川昌宏撮影
 東日本大震災の津波で流失した岩手県陸前高田市の高田松原の松に震災遺族らのメッセージを記して京都の「五山送り火」(16日)のまきにする計画が、放射能汚染を懸念する声を受けて中止されることになった。メッセージが書かれたまき約350本は陸前高田市内で保管されており、現地入りしている「大文字保存会」(京都市)の松原公太郎理事長らが8日夜、精霊の「迎え火」として燃やす。しかし、京都市には市民から中止を批判する声も多数寄せられている。【成田有佳、古屋敷尚子、入江直樹】
保存会は遺族らのメッセージを写真に撮り、後日、別の護摩木に書き写して「送り火」で使用するという。
計画は大分市の美術家、藤原了児さん(61)が発案し、松原理事長に相談したのがきっかけ。藤原さんが震災後に知り合った陸前高田市の旅館経営、鈴木繁治さん(66)がまき集めやメッセージの呼びかけを担った。
計画が報道された6月末以降、京都市や関係者の自宅に「放射能汚染された灰が飛ぶ」などと抗議の電話やメールが寄せられるようになった。
保存会はまきのかけらを取り寄せ、民間会社に依頼してセシウムとヨウ素の検査をしたが何も検出されなかった。まきの使用を巡って理事会で意見が割れたが「不安は完全にぬぐえない」と中止を決断したという。
山本正・副理事長は「陸前高田の方々には申し訳ない。迎え火で燃やすことで気持ちに応えたい」と苦渋の表情を浮かべる。鈴木さんは「時節柄、仕方のないことだと思う」と言葉少なだった。
藤原さんは「不安に思う人がいるのなら押し通すことはない。保存会が現地で(当初の計画から)形を変えて亡くなった人や遺族らの思いに応えているのは、誠意の表れで感謝している」と話す。
京都市には8日朝から中止に反対する意見が電話で多数寄せられた。市によると「送り火は死者を鎮魂する場で被災者の思いに応えられる場。『いちげんさんお断り』のようで、京都市民として恥ずかしい」「陸前高田市は原発から離れているのに、被災地の思いを届けようとする真摯(しんし)な取り組みをなぜ中止するのか」などの意見があったという。
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被災マツ、「送り火」に使われず 鎮魂の思い書かれた薪  2011年8月6日22時13分

東日本大震災で津波になぎ倒された岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松で作った薪(まき)を、京都の伝統行事「五山送り火」の大文字で燃やす計画が中止になった。放射能汚染を心配する声が京都市などに寄せられたためという。放射性物質が含まれていないことは検査で確認したものの、主催する地元保存会は「世論をみて難しいと判断した」。400本の薪に書かれた鎮魂の思いは、広がり続ける放射能不安にかき消された。
計画は、高田松原の松が薪になって売られていることを知った大分市の美術家、藤原了児さん(61)が発案。京都の「大文字保存会」に呼びかけて、震災で亡くなった家族や復興への思いを書いた薪を、五山の送り火で燃やそうと準備を進めていた。
だが企画が報道されると、「放射性物質は大丈夫か」「灰が飛んで琵琶湖の水が汚染される」などと不安がる声が、保存会や京都市に電話やメールで数十件寄せられた。
市と保存会は7月下旬、すべての薪を検査し、放射性物質が検出されないことを確かめた。保存会では「これで大丈夫」との意見が出る一方、牛肉などの放射能汚染が問題になる中で、「放射能への不安を完全に取り除くことは、世論をみると難しい」という慎重論が消えず、苦渋の決断をしたという。
保存会の松原公太郎理事長は6日、頭を丸めて、陸前高田市で被災松の薪を集めた鈴木繁治さん(66)の元を訪れた。「被災松の断面はとてもきれいで、丹精込めて育てられてきたと分かる。結果として被災地の方のつらい思いに追い打ちをかけてしまうことになってしまい、申し訳ない」とうつむいた。
鈴木さんによると、薪は市内の避難所や旅館などに置き、被災者がメッセージを書き込めるようにした。話を聞きつけた人たちが市外からも訪れ、400本ほど集まったという。「いつまでも空の上から家族を見守って下さい」「お袋殿 オヤジと仲良くやってくれよ」。1本1本に、亡くなった家族の元へ届けたい思いがフェルトペンでつづられている。「遠くからわざわざ来て『天国に伝えて欲しい』という方もいらしたから、本当に残念です」と鈴木さん。
代わって保存会は、鎮魂と復興への思いを受け継ぐため、薪に書かれた被災者全員のメッセージを護摩木に書き写して、16日に大文字で焚(た)くことにした。陸前高田市にある薪は、保存会の会員らが8日に現地で「迎え火」として燃やすという。(岡野翔、井上未雪)
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津波被害の松を京都五山の送り火に  朝日新聞2011年8月5日5時35分

津波で被害を受けた岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松を薪(まき)にして、8月16日の「京都五山送り火」で燃やす計画が進んでいる。肉親を亡くしたり被災したりした人たちが、それぞれの思いを薪に書き込んでいる。
大分市の美術家、藤原了児さん(61)が、自宅で使う薪を探していたところ、高田松原の松が薪になって売られていることを知り、計画を思い立った。京都の「大文字保存会」に協力を呼びかけると同時に、自ら被災地で薪作りをし、200本を用意した。薪は、計画に賛同する陸前高田市内の「鈴木旅館」や避難所に置き、被災者らがメッセージを書き込めるようにした。
津波で母親を亡くした盛岡市の会社員、大坂章さん(35)は、「今までありがとう」と書き込んだ。「あまり旅行もしたことのない母でしたが、最後に京都で送ってもらえるんですね」(小林裕幸)

2011・8/8 テレビ朝日「モーニングバード」

岩手日報社 2011年 6月18日

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東海新報 2011年 6月17日

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