送り火の薪をチェーンソーできり、斧で割る作業



京都大文字の送り火

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薪を割る

涙を出すように、小口から水があふれてきます。

撮影者:鈴木陽一さんがバルーンから撮っています。私が、積み上がられた赤松の山から、チェーンソーで所定の長さに切り出して、地面に持って降りると待ち構えていた息子(次男)が、大分から持ち込んだ大きな斧で、台の上に立てたマツに向かって、「パーン、パーン」と10回ほど振り下ろします。
すると、「バリバリッ」と音がして、半分から割れ始めます。小口からは斧を振り下ろす度に、「ジューッ」と水分がにじみ出し真新しい木目や小口が現れてきます。

静かな田園に、斧の音だけが風に流されてゆきます。

一般お方が、撮った現在の松林
陸前高田市は2万5000人あまりの町です。でした、という方が正しいでしょうか。時折通る運送トラックや建設会社のトラック意外には、何も音がありません。
ここは、いつもだったら中心部の町のざわめきが聞こえていたはずなのに、被災者の方々は市内から山手に入った所に作った、避難所や仮設住宅に移動していて、今はがれきを処理する重機の音が、風の吹き具合によって聞こえるだけで、不思議な景色となっていて、山から丘、丘から海へとまっすぐに道が続いています。さえぎるものが何もなく、原始の時代の地形を見ているような感があります。