京都大学は体の様々な細胞になるｉＰＳ細胞を作る技術について、アメリカでの特許が成立したと発表しました。

【京都大学ｉＰＳ細胞研究所山中伸弥教授】
「世界中の研究者とこの技術を使った新しい創薬や再生医療に向けて一層進めてまいりたい」

ｉＰＳ細胞は人の神経や筋肉などになる万能細胞で、４年前、京都大学の山中伸弥教授らが世界で初めて作成に成功しました。
今回アメリカでの特許が成立したのはｉＰＳ細胞を作る技術などで、この技術はすでに薬の安全性を確認する研究などに役立てられています。

【京都大学ｉＰＳ細胞研究所山中伸弥教授】
「一部の企業などに独占させるという、私たちが一番恐れていたことが防ぐことができた」

京大はｉＰＳ細胞に関する特許をヨーロッパなどで取得していて、医療大国アメリカで取得できたことで実用化に向けた研究が進みそうです。

「遅刻１回で時給210円の減額」は違法だとして、郵便事業会社の非正規社員が、会社を相手に損害賠償を求めて訴えを起こしました。

郵便事業会社の大阪城東支店で配達員として働く黒田恭司さん（49）と山本一馬さん（37）は去年、会社から思わぬ処分を受けました。
２人は午前８時の始業時間にそれぞれ20分程度遅刻したことを理由に、半年の間、時給を210円も減らされたのです。
背景には、郵便事業会社特有の評価制度がありました。
２人はまず『基礎評価』の中で「無届けの遅刻があった」として、時給10円を減額されました。
これに加えて『能力に基づいた評価』の中で「遅刻をしたから他の契約社員に指示・指導ができない」とされ、さらに200円を減額されたのです。

【山本さん】
「遅刻が１回あったからそれで言われるのは仕方がないけど、それとスキル（＝能力）の話は違う」
【黒田さん】
「（手取りで）22〜23万円だったのが、19〜20万円になった。住宅ローンもあるし、固定資産税とか市民税とか多少の延滞が出た」

正社員であれば１回の遅刻で減給処分を受けることはあり得ません。
また、２人は給料の約14％をカットされたことになりますが、労働基準法では、懲罰的な意味合いでの10％を超える減給を禁じています。
郵便事業会社は、去年起きた「ゆうパック」の配達遅れなどの影響で業績が悪化しました。
２人を支援する組合は、そのしわ寄せが非正規社員にきていると指摘します。

【郵政勤労者ユニオン・山田雅之さん】
「全国的にやられていたら相当な額。一番やりやすいところに手を出してきた。（非正規社員は）大半の方が泣き寝入りして甘んじて応じるから」

２人は「遅刻を能力の評価に反映させた処分は誤りで、不利益も大きく違法だ」として、会社に対しそれぞれ22万円余りの損害賠償を求めて提訴しました。

【黒田さん】
「沢山の人が罰を受けていると思う。みんなのためにも裁判に訴えるということ」

郵便事業会社の近畿支社はこれまでの取材に「正社員・非正規社員を問わず、能力や仕事ぶりに基づき、適正に評価している」とコメントしています。

岩手県陸前高田市の薪を使わないと決めた京都「五山の送り火」の大文字保存会が、一転して、新たに被災地から送られてきた別の薪を使うとしました。

11日午後３時、岩手県陸前高田市の500本の薪は京都市役所に到着しました。
大文字保存会では当初、陸前高田市で津波に倒された松から薪を作り、被災者が亡くなった人へのメッセージを書き込んで大文字の送り火で焼く予定でした。
しかし、「放射能への不安」を訴える意見が寄せられ、検査で放射性物質は検出されなかったものの、保存会はこの薪の使用を中止…。薪は京都に届くことなく現地で燃やされました。
この対応に抗議が相次いだため、京都市が陸前高田市から別の薪を取り寄せ、11日に到着しました。
４つの山の保存会はこの薪を使うことを、前日までに了承していました。
そして、対応を決めかねていた大文字保存会も11日、京都市にこの薪を使用したいと伝えたということです。
大文字保存会は、燃やされた薪に書かれていたメッセージを書き写したものと、今回届けられたもの両方を、今月16日の送り火で燃やすことにしています。

お盆休みを海外やふるさとで過ごす人たちのラッシュが本格化し、空港や道路が混み合っています。

近畿の高速道路は11日午前11時頃に中国自動車道・下り線の宝塚東トンネル〜名神高速・大山崎ＩＣ付近まで最大38ｋｍ渋滞しました。
高速道路無料化の社会実験は６月に終了しましたが、ＮＥＸＣＯ西日本によりますと、お盆期間の混雑は去年並みで、ピークは12日・13日だということです。
また、Ｕターンラッシュのピークは15日と予想されています。

一方、空の便。
関西空港で出国ラッシュが始まり、11日は17500人（推定）が海外へ出発しました。
関空会社によりますと、直行便がことし就航した北米方面に出向く人が増えているということです。
ラスベガスに向かう男性は「カジノで旅費分勝つ」と意気込み、ブロードウェイのショーが楽しみと話す男性は「円高なので奮発する」と話していました。
また、韓国に２泊３日滞在するという女性グループは「ショッピングとグルメとエステに行きます」「今日も着いたら夜は焼肉食べに行きます」と話していました。
出国は13日に、帰国ラッシュは16日にピークとなる見込みです。

大阪府枚方市の京阪電車の線路内に置き石をしたとして、元能楽師の男が逮捕されていたことが分かりました。
犯行当時、男は意外な姿だったということです。

往来危険と威力業務妨害の疑いで逮捕されたのは、元能楽師の辰巳孝弥こと辰巳豊聖容疑者（33）です。
警察によりますと辰巳容疑者は去年11月、枚方市南中振にある京阪電車の線路内に侵入し、置き石をして電車の運行を妨げた疑いがもたれています。
電車は緊急停止しましたが、けが人はいませんでした。
辰巳容疑者は、袴姿で犯行に及ぶところを目撃されていましたが、「私は知りません」と容疑を否認しています。
辰巳容疑者はことし４月にも、枚方市内の住宅に侵入して火をつけたとして逮捕されています。

民間のこども園への移行を計画している滋賀県甲賀市は、公立の幼稚園と保育園を廃止する条例案を市議会に提出し、11日、採決が行われます。

甲賀市の中島武嗣市長は11日の臨時市議会で、公立の幼稚園と保育園を廃止する条例案を提出し、議会では審議が行われています。
甲賀市は財政難などを理由に公立の貴生川幼稚園と貴生川保育園を廃止し、その代わりに２つの機能を一本化させた民間のこども園を来年４月に開園する計画です。
これに対し保護者らは「規模が大きくなれは園児に目が行き届かなくなる」として先月５日、条例案の議決差し止めを求めて裁判を起こしています。
廃止の条例案はこの後、採決が行われますが、賛成多数で可決される見込みです。

京都府木津川市のアパートで女性が殺害された事件で、京都地検は、逮捕された女の責任能力の有無を調べる精神鑑定を行うことにし、女の鑑定留置が認められました。

奈良県大和郡山市の飲食店店員・��間美花容疑者（27）は先月21日、京都府木津川市のアパートで、アルバイト店員の福田益美さん（27）を殺害した疑いがもたれています。
高間容疑者は「福田さんとは面識がない」と話していますが、警察は福田さんを尾行したうえ刃物で何度も刺すなど、強い殺意があったとみています。
京都地検は責任能力の有無を確かめる必要があるとして、精神鑑定のための鑑定留置を請求、京都簡裁が11日から３ヵ月間の留置を認めました。
高間容疑者は「福田さんの家に行くとすでに死んでいた」と弁護人に話すなど、容疑を否認しています。

人気のブランドバッグや洋服などが、通常より安い値段で販売されるイベントが大阪の百貨店で始まりました。
その値段には「ワケ」があります。

開店と同時に詰めかけた多くの女性たち。
11日から守口市の京阪百貨店で始まったのは、「理由あり処分けたはずれ市」。
キズがあったり季節外れのものなど、少々「ワケあり」の商品がお値打ち価格で販売されるとあって、朝から女性客が殺到しました。
中には９割引の商品もあり、まさに「けたはずれ」。
次々と運ばれてくる商品もカートに並べられる前になくなります。

【販売員】「（あっという間に空になりますね？）もうからっぽなりますね。（ものの３分くらいで？）３分もかかってないんで」

大混雑でも、商品をきっちり見定める女性たちの表情は真剣そのもの。

【訪れた女性客】「冬物のコート。（コートどんなものを狙ってるんですか？）あ、なくなりました！なくなりました」
【別の女性客】（記者をマネキン代わりにしながら）「こういうスーツの中にこう入れたら、このシャツの色を活かす！ここで毎年買うんですよ、常連です」

このイベントは、京阪百貨店守口店で16日まで開催されています。

11日朝、大阪市西成区のコンビニエンスストアで男が店員に刃物を突きつけ現金を脅し取ろうとする事件がありました。
防犯カメラが犯行の様子を捉えていました。
店内で立ち読みをする怪しげな男。
突然振り返り、レジにいる店員にナイフを突き付けます。
午前７時過ぎ、大阪市西成区山王３丁目にあるコンビニエンスストアで、男が女性店員（67）にサバイバルナイフを突き付け「金を出せ」と脅しました。
しかし男は客が入ってきたため何も奪わず逃げました。
ケガ人はいませんでした。
男は30歳くらいで身長180センチくらい、上下黒のシャツとズボンにグレーのニット帽、白っぽいマスクをしていたということです。
警察は強盗未遂事件として防犯カメラの映像の解析などを行い捜査しています。

京都の下鴨神社では珍しい古典から懐かしのマンガ本まで、８０万冊以上の古本を集めた展示即売会が開かれています。
下鴨神社・糺の森で１１日から始まった「納涼古本まつり」は、京都や大阪の古本屋が毎年企画しているもので、今年で２４回になります。
約３０軒の古本屋さんが軒を連ねる販売ブースには、１冊１２万円以上の珍しい古典や美術書から懐かしのマンガ本まで、様々なジャンルの古本が所狭しと並べられています。
また、１冊１００円均一のコーナーには、オープンを待てない多くの古本ファンが掘り出し物を求めて殺到しました。
厳しい暑さにもかかわらず、会場は夏休み中の親子連れなど大勢の人たちで賑わっています。
この古本の展示即売会は１６日まで開かれています。

京都大学の研究チームはチンパンジーの大脳の中枢部分が人間と同じように時間をかけて発達していることを発見しました。
チンパンジーを研究している京大霊長類研究所は、３匹のチンパンジーの脳の発達過程を調査するため生後６ヶ月から６歳まで脳のＭＲＩ検査を定期的に行っていました。
その結果、チンパンジーの大脳で「前頭前野」という記憶や思考をつかさどる中枢の部分が、生まれた直後は非常に未熟で、その後、数年かけて発達していることがわかりました。
これは、生まれた後に経験を積んで道具を使ったり他者と意思疎通したりするようになるという人間の脳の発達過程と似ているということです。
研究チームは今後も、もっとも人間に近いとされるチンパンジーの脳の成長の調査を続けて、複雑な思考をともなう人間の進化の過程を明らかにしたいと話しています。