「日興アセットがIPO準備、引受主幹事選定開始」
株などの資産運用
2011/07/14 12:35 日興アセットがIPO準備、引受主幹事選定開始−年度内にも上場へ
(ブルームバーグ) 日興アセットマネジメントが新規株式公開(IPO)に向けて今週、引き受け主幹事証券の選定に入ったことが13日までに明らかになった。大型案件が動き始めたことで、3月の東日本大震災以降、ほぼ凍結状態となっていた国内の株式公開市場に転換期が訪れた。事情に詳しい3人の関係者によると、日興アセットは早ければ年度内にもグローバル・オファーリングを実施し、東京証券取引所に上場する方向で準備を進めており、親会社である住友信託銀行は一部の株式を国内外に放出する見込みだ。同社は米シティグループから2009年10月に約1200億円で日興アセットのほぼ全株式を買収していた。国内の株式資本市場は大震災後の混乱期を経て日経平均株価も1万近辺まで戻すなど回復の兆しを見せ始めている。震災直後に一時18%に達した同株価の下落率も5%前後に縮小した。日本航空(JAL)、東京地下鉄(東京メトロ)、東京証券取引所グループなども現在IPOの準備を進めている。
SMBCフレンド証券の中西文行シニアストラテジストは、「シンボリックなディールになるだろう。同社のIPOは資産運用ビジネスが成長産業として扱われるのか否かを占うだろうし、同業他社も追随する可能性がある」と指摘。また、上場により「知名度が上がり優秀な人材も集まり、資金調達や投信の販売もよりやさしくなる」と評価した。
「ビューティーコンテスト」
関係者によれば、日興アセットは今月下旬にいわゆる「ビューティーコンテスト」を行い、国内外の投資家に株式を売却するためのグローバル・オファーリングの主幹事を選定する。日興アセットと住友信託の広報担当者はコメントを避けた。今回の大型案件の主幹事選定にあたり、野村ホールディングスのほか、米ゴールドマン・サックス、シティグループ、大和証券グループ本社、SMBC日興証券などが名乗りを上げているとみられる。ブルームバーグの集計によれば、3月11日の大震災後、日本企業28社が株式市場で2400億円相当の資金調達を行った。35社が2兆円超を調達した前年同期の10分の1近くと極端に低迷していた。