設置状況の確認 エアコンの取り外しの前にコレだけは確認しておきたい項目を説明しておきます。まず、基本的なことですがエアコンが複数台稼働している場合、撤去したいエアコンの室内機と室外機のペアを確認しておきましょう。そして、搬出経路の確保も大切な下調べの一つです。
せっかく取り外しても、搬出経路が狭く屋外に搬出できないコトもあるし、室外機を取り外すにしても隣の家の壁の間隔が狭すぎて作業が困難だったり、取り付け場所が急な屋根の上だとしたら高めの脚立を用意して外から登って作業をすることも考えなければなりません。 |
室外機カバーを外す
取り外し工事の第一段階。室外機のカバーを外します。カバーを外すと電源コードの接合部分や配管パイプが見えてきます。電源コードの部分を不用意にさわらぬよう注意が必要。室外機カバーの取り付け・取り外し方法は、エアコンメーカーや機種ごとに違いがあるためそれぞれ臨機応変に対応して下さい。 |
バルブキャップを外す
室外機のカバーを外したら六角ナットのキャップが見えてきます。配管パイプ(銅管)が接合されていないプレーンな表面の六角ナットをモンキースパナなどで取り外します。間違って、パイプに接合されている六角ナットをゆるめると「プシュー」とガス抜けの音がします。それは間違いです。音がしたらすぐに元通り締め付けて下さい。上下に位置する2個のナットをモンキーレンチなどで外してください。ナットを外すと中からピカピカに光るフロンガスバルブが見えてきます。 |
強制冷房運転(ポンプダウンの準備)
ポンプダウンとは室内機と配管パイプ内にあるフロンガスを室外機へ封じこめる作業のことです。この作業をおこなわないと、フロンガスが大気中に放出されてしまいます。地球環境の破壊につながりますのでエアコンを取り外す際には必ずしなくちゃならない作業です。
夏場の作業では、ごく普通に設定温度を最低にして冷房スイッチを押せばポンプダウンの運転に入るんですが、冬場の作業ではリモコン操作をしても室外機のファンは回らないこともあり、その場合は強制冷房運転させる必要があります。
エアコンメーカーにより、強制冷房の運転方法が違います。詳しくは取扱説明書に目を通すか、メーカーに問い合わせしてみて下さい。エアコン各メーカーへのリンクはコチラのページにまとめてあります。
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ポンプダウン(前編)
液化フロンを室内機に送り出す「送り側バルブ」を六角レンチを使って締め付けフロンの循環を物理的に止めます。受け側のバルブは開いたままなので室内機及び配管パイプの中に残っているフロンガスは強制的に室外機に閉じこめられることになります。
六角レンチはこの作業に欠かせない必需品ですが、エアコンメーカーや機種によってはこのバルブが四角い棒状の場合もあります。こういうバルブのタイプだったら六角レンチではなくモンキースパナで締めましょう。 |
ポンプダウン(前編)
強制運転中に、送り側(細いパイプ)のバルブを締め付け2〜3分運転を続けておけばポンプダウンが完了です。次工程のポンプダウンの仕上げに入ります。 |
ポンプダウン(後編) 仕上げは、エアコン強制運転のまま受け側バルブを六角レンチを使って締め付けます。締め付けが終了したらエアコンの強制運転をすみやかに停止させます。 |
ポンプダウン(後編)
これで、ポンプダウンは完了です。フロンは室外機に封じこめられたハズです。 |

エアコン運転停止
リモコンを使って停止させる場合や、フロンとパネルのスイッチを切る方法論もありますが、いずれの場合も室内機の冷風吹き出し口が自然に閉まるまでコンセントプラグを抜いたりしないよう注意しましょう。 |
電源を遮断する
エアコンの運転が完全に止まったことを確認したらコンセントプラグを抜きます。この先の作業で電源コードを切断する作業があるため必ずコンセントプラグを抜いて、電源が遮断されたことを確認しておいて下さい。くどいですが、コンセントプラグは確実に抜いて下さい。 |
キャップ再装着
ポンプダウンが終わり、エアコンを止め電気コードを抜いて源源を遮断したらAの工程で外したバルブキャップをはめておきます。スパナできつく閉める必要もありません。ネジを取り付ける要領で手のチカラで右に回して閉めておきます。 |
配管パイプを外す 銅管パイプ(太い側)のつながっているナットを外します。この時プシュっと瞬間的に音がしたらポンプダウンが成功していることの証明なんですが、プシュ〜プシュ〜と音が続くようであればポンプダウンが不十分です。第3章のエアコン強制運転からやり直す必要があります。 |
電源コードを切断
黒いコードから切断し、白・赤の順でカットします。くどいようですが、電源コードが通電していたら感電してしまいます。危険ですから電源コンセントプラグが外れていることを再確認して切断作業をして下さい。 |
室外機の撤去
ポンプダウンが終わり、配管パイプを外して電源コードも切断できたら室外機の撤去です。室外機取り外しの前に、搬出経路の確認をして要所を養生しておきます。室外機を固定しているボルト・ナットを外して下さい。4ヵ所のボルトを外せたら室外機の撤去ができるはずです。思わぬ場所から雨水などの排水が出てくる場合もあります。搬出経路の床などは養生しておくとイイでしょう。 |
室内機の撤去
一般的に室内機は、壁に取り付けられている金具にフックされて取り付けられています。上に持ち上げるようにしてカポッと押し上げれば外れます。ガシッと食い込むように取り付け部位が咬んでいる場合なかなか外れないこともあります。いろいろ押し出す方向を変えてみたりして外して下さい。 |
排出経路の確保
家電製品は水を嫌います。エアコン室内機からは排水(ドレン)が思わぬ場所から垂れてきたりします。あわてる前にキチンと養生しておきましょう。壁と床、また二階部分のエアコンを取り外した場合、階下に降ろす際狭い階段などは壁を傷つける可能性もあるので養生しておくとイイかも。 |
配管穴の処理もお忘れなく!壁に配管パイプの穴がそのまま残っていると雨風の吹き込みやムシの侵入の危険性があります。さぁ、撤去完了。お疲れさまでした。 |
エアコンの取り外しの作業方法を紹介してきましたがエアコンのセルフ取り外しを推奨しているわけではありません。日曜大工などが趣味!という方には、簡単なエアコンの取り外し作業ですが誰にでも簡単に取り外せるワケではありません。「六角レンチ」ってナンですか?と専門工具もいちいち聞かなきゃわからないような一般の生活者の方のエアコン取り外しは専門の電気工事業者さんに頼むのが得策です。
尚、取り外し時の事故,機械の破損、けがなどは一切責任を負いかねますので御了承下さい。
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