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'11/8/11

滑走路陥没回避へ耐震化完工


 広島空港(三原市)の真下を通る広島県道トンネルの耐震補強工事が完了した。中国地方整備局の有識者委員会が2009年3月、マグニチュード(M)6・5規模の直下型地震で崩落の危険性を指摘。滑走路が陥没して長期間に使用不能になる可能性があるため整備局が工事に着手していた。政府の事業仕分けの影響で完了が約4カ月ずれ込んだ。

 補強したのは滑走路と誘導路の下を通る県道トンネル2本のうち、東側の広島空港本郷線のトンネル(564メートル)。空港へのアクセス道と周辺の生活道を兼ねている。滑走路と誘導路直下のトンネル側壁計300メートルに1・4〜1・7メートルの鉄筋約2200本を打ち込む工法を採用した。総事業費は1億3500万円。

 広島空港は、中国地方で唯一、地震災害時に緊急輸送の拠点となる「航空輸送上重要な空港」。整備局は、耐震補強工事の完了によりその役割を果たせるとしている。

 一方、有識者委は県地域防災計画や政府の中央防災会議の資料を基にトンネルの強度不足を指摘した。いずれも東日本大震災を受けて見直し作業が始まっている。整備局は「結論を踏まえ追加の耐震対策が必要かどうか検討する」としている。




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