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泊原発:3号機再開を先送り 経産相、北海道知事に伝える

北海道電力泊発電所3号機=北海道泊村で2010年7月10日、本社機から小出洋平撮影
北海道電力泊発電所3号機=北海道泊村で2010年7月10日、本社機から小出洋平撮影

 調整運転中の北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)の営業運転再開について、海江田万里経済産業相が10日夜、北海道の高橋はるみ知事に「知事の判断は大切で、(再開を)待ちたい」と電話で伝えていたことが11日、道への取材で分かった。3号機は10日に経産省原子力安全・保安院の最終検査を終え、11日にも営業運転が再開される見通しだったが、これに伴い先送りされることになった。

 道は泊村など地元4町村や道議会の意見を聞き、運転再開の是非を判断する方針。4町村に運転再開に目立った反対意見はなく、3号機の停止で電力需給が逼迫(ひっぱく)する恐れがあるとみて、道は運転再開を容認するとみられる。

 道によると、海江田経産相は10日午後7時ごろ、高橋知事に電話し、道が運転再開の是非を判断するまで検査終了証を交付しない考えを伝えるとともに「(判断を)できるだけ早くまとめてほしい」と求めた。高橋知事は「道としての考え方をできる限り早く集約する」と答えたという。

 3号機の運転再開を巡っては海江田経産相が9日、調整運転中の原発の営業運転再開を「再稼働には当たらない」とする政府見解を道に提示。あわせて原子力安全・保安院が北電に最終検査を申請するよう指導した。

 この動きに対し、高橋知事は、国が地元の同意を取り付けないまま再開に向けた手続きを進めているとして強く反発していた。

 泊原発3号機は1月5日、定期検査に入り運転を停止。3月7日に再起動し、フル出力で調整運転を始めた。福島第1原発事故を受けた緊急安全対策などで最終検査が先送りされ、調整運転が長引いていた。【高山純二、片平知宏】

毎日新聞 2011年8月11日 11時23分(最終更新 8月11日 12時41分)

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