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石川智晶「不完全燃焼/スイッチが入ったら」インタビュー 2
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TVアニメ『神様ドォルズ』主題歌シングル7月27日発売
『神様ドォルズ』とタッグを組んだ9thシングル「不完全燃焼/スイッチが入ったら」を7月27日に発売する石川智晶。“強さ”を正反対のベクトルから描いた2曲は、今までの石川ワールドを継承しつつも新しい扉を開いた会心作。歌が産声をあげるまでを率直に語ってくれた。
感情を解放させてあげる、エネルギッシュに駆け抜けていく爽快感を出したかった(石川)
――『神様ドォルズ』の原作を読んだ感想を聞かせて下さい。
石川 楽曲を制作するにあたって、原作と、途中までできていた台本を読ませていただきました。作品力のある漫画だなと思いました。シリアスな部分とコメディタッチな部分、そしてキャラクターがかわいいというそのバランスがとてもいいなって。直感なんですけど、この作品に寄り添えると思ったんです。自分の中にある世界や感覚と近いものを作品から感じたから。もちろんアニメのための曲ではあるんですが、そこに自分の思いを乗っけやすいと思ったんですね。そういう作品と巡り会えることって、なかなかあることではないので、大切にしたいなと思いました。
――これまでの楽曲に比べてメッセージもサウンドもシンプルで強いですね。
石川 オープニング用に何曲か作ったんですけど、でも「まだ生ぬるいな」って思っていて、いくつか作った中でこの曲ができました。不完全燃焼という言葉が最初に出てきたんです。マイナス思考って実は一番、怖くて強いパワーを持っている。誰かを妬んだりするエネルギーや思考は溜まりやすいから、貯めないで、ガッーと怒る。そういう怒りの姿勢なんだけど、でも実はクールに自分のことを見ているという視点がいいのかなって。激しさだけを真ん中に置いて、あまり余計なことを入れ込まないで作ろうと思いました。聴き手が、ああなのかな、こうなのかなと考えられるものにしたかったので、聴き手の能力を信頼して作ったところはありますね。私はいつも詞を先に作るんですけど、今回はサビの「不完全燃焼なんだろ?」というフレーズをどれだけ連呼できるかというところが大事だった。「じゃあ、何がいいたいの?」と言われれば「だから不完全燃焼なんだよ」って (笑)。詞の深さだったり、共感だったりとはまた違う、もっとシンプルな歌詞ですね。
――楽曲制作時期に東日本大震災が起こりましたが、そのことが作品に影響していますか。
石川 う~ん、どうなんでしょう。あくまでアニメを盛り立てるための曲で、作品の良い助っ人になれればなと思って作ったというのが大前提です。だからダイレクトに今回の歌に震災の影響が出ているということはないんですけど、ただ制作期間に震災があったことで、より個人の思いが大事だと感じたところはありました。それと震災後は、癒しや応援の歌が多くなったと思うんですけど、それも必要だけど、でも私だったら癒しだけでは立ち上がれないなと思って(笑)。怒ることってエネルギーがいると思うんですけど、そのエネルギーだけ注入してあげることで生きる元気がでる、そういうのがあってもいいなって。怒る時にちゃんと怒るっていうのも必要だと思うんです。感情は封じ込めないで解放させてあげないとね。エネルギッシュに駆け抜けていくことでの爽快感を出したいなと思ったんです。
つづく
Text/川崎直子
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2011/08/02 13:00:00
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