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石川智晶「不完全燃焼/スイッチが入ったら」インタビュー 1
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TVアニメ『神様ドォルズ』主題歌シングル7月27日発売
『神様ドォルズ』とタッグを組んだ9thシングル「不完全燃焼/スイッチが入ったら」を7月27日に発売する石川智晶。“強さ”を正反対のベクトルから描いた2曲は、今までの石川ワールドを継承しつつも新しい扉を開いた会心作。歌が産声をあげるまでを率直に語ってくれた。
上から目線の歌詞が強烈な「不完全燃焼」は主人公・匡平へのアプローチ(石川)
――アニメの話があったのはいつ頃なんですか。
石川 昨年12月です。その時点では、原作者のやまむら(はじめ)先生とは面識がなかったのですが、先生から音楽は石川さんでと言ってくださったようで。とても光栄でしたし、プレッシャーよりも喜びがありました。
――曲はどんな手順で作っていったんですか。
石川 アニメ制作サイドの要望で、エンディング曲の「スイッチが入ったら」の方から先に作りはじめたんですけど、オープニング曲はこんな感じにしようというのを考えながらエンディングを作っていったので、私の中ではほぼ同時進行でした。私としては最初、エンディングだしバラードっぽい曲がいいのかなと考えていたんですが、岸(誠二)監督と打ち合わせをした時に“エンディングもエネルギーを残したまま終わりたい”というオファーがあったんです。あとは自由に作らせていただきました。
――「不完全燃焼」は言葉にインパクトがあります。サビで「~したいんだろ?」って相手に強い言葉で投げかけていますよね。
石川 上から目線で「わかってんだよ」っていう姿勢は非常にサディスティックですよね(笑)。でもこれは相手にも言っているんだけど、自分自身に向けた言葉でもあるんですよ。何かに苛立っているということは、同じだけ何かを恐れているということだと思うんです。主人公の匡平はまだそこまでのギリギリ感に至ってはいないのですが、歌では先行してヒリヒリした感じを出している。あとで視聴者に「あぁ、そういうことだったのか」と思ってもらえればいいなって。
――「不完全燃焼」は匡平の立ち位置から書いた詞なんですか。
石川 生まれ育った背景を抱えて生きている、そこから逃れたくても逃れられないというのは、匡平だけでなく誰もが抱えている問題だと思うんです。一生懸命逃れようとするんだけど、自分の体の中に持っているものを捨て切れない。住んでいた場所や人との絆とか、人は自分のバックボーンに否応なくとらわれてしまうから。匡平には阿機という幼なじみがいて、お互い嫌い合っているんだけど、相手の目に付くところって自分の嫌なところだったりするでしょ。最初は匡平目線で歌詞を書いていこうと思っていたんですけど、匡平と阿機、2人の関係を眺めながら書いた感じに仕上がりました。
――歌の中で「そうなんだろ?」って連呼されると、石川さんに怒られているような気が……(笑)。
石川 アハハハ、それ、新しいスタイルかも(爆笑)。たぶんみんなも、私のことを優しいお姉さんだとは、そろそろ思っていないだろうから (笑)。実は私は匡平と違って、いろんなものをあっさり捨てられるタイプなんですよ。捨てたいなら捨てちゃえよっていう人だから。
つづく
Text/川崎直子
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2011/08/01 13:00:00
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