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★スペシャルインタビュー
FictionJunction、梶浦由記 『stone cold』インタビュー 3
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2011年にFictionJunctionが放つシングル『stone cold』。待ちに待っていた(待たされた?)この1枚について梶浦由記に聞く。四人の歌姫を梶浦がどのように捉えているか、そして表題曲「stone cold」とカップリングの「ひとりごと」をどのように歌姫に絡ませたのか――。


四人の歌姫に歌ってもらって決めました(梶浦)

――カップリングの「ひとりごと」についても教えてください。

梶浦 「stone-」のカップリングはどんなのでもいいなと思っていて、好きに作ってみました。出来た時からコーラスラインは出来ていたんですけど、「これとこれを重ねちゃえ」ってやっていたら、いい感じに全く違うメロディラインが重なって。でも、ここまでコーラスが複雑なことをやっていると、違う声質の人でやらないとぐちゃぐちゃになってしまうんですよね。つまり、FJの四人でやらないと難しいという曲でもあったんです。あと、ソプラノサックスを入れたくなって。コーラスの重ねを四人でやってみたいというのと、ソプラノサックスで録りたいというのと、その二つの欲望が合わさって出来た曲ですね(笑)。その結果、JAZZY、というとJAZZの方に怒られてしまいますけど、すこーしだけJAZZYな曲になりました。ただ、FJでやったことがない曲だったので面白そうでしたけど、「FJでいけるのかな」という悩みもありました。

――ソプラノサックスというのは珍しいと思うのですが、何かきっかけはあったのですか?

梶浦 あの、リズムが入ってくるところにコーラスがいて、ピアノがパーンと弾いていて、「あ、ソプラノサックスだな」と。すみません、私、ヤマカンで生きているので(笑)。でも、テナーじゃ低すぎるし、フルートじゃ高すぎるし、パーンと上に響かせるとしたらソプラノサックスしかない、という感じでしたね。そもそも、私がソプラノサックスが好きになったのって、バービーボーイズからなので(笑)。

――ただ、今までの自分にはない曲という感覚はありましたか?

梶浦 それはあったかもしれないですね。サントラ的な作りなのかな。シンプルだけどくどいメロディなのでサントラにはならないんですけど。でも、サントラでもないかな? コーラスも全然違うラインだし……イージーリスニングですかね。

――ならソプラノサックスだろう、と?

梶浦 そういう安直な流れだったのかもしれないです(笑)。

――「ひとりごと」では、歌姫にどこを歌わせるかという決め手はどのように生まれましたか?

梶浦 決め手は、みんなに仮歌を歌ってもらって、ですね。自分でも全く分からなかったので、4人に仮歌を歌ってもらい、色々と構築したんです。それで決めました。こういうメロディってもっと朴訥な、声の質だけで歌う人の方が合うんですよね。なので読めなかったんです。

――耳に残る、特徴的な声質の人って確かにいませんね。

梶浦 ブレスっぽくて、その人の声を聴くだけで癒される、そういう人っているじゃないですか? 声の質がすごく特徴的な。でも、4人はそういうヴォーカルではないので、合わないかもしれないとは思ったんですけど、歌ってもらったら、「こういう曲を歌ったら皆がどうなるのかを私は知らなかったんだな」と、すごく勉強させてもらいましたね。もっと歌ってもらわないといけないと思いました。「これが得意だろう」という予想が裏切られることはないんですけど、「これはちょっと苦手だよな」と思っていたことが裏切られて、すごく素晴らしいものが出てくることってあるんですよ。そういう時は、「人を過小評価してダメじゃないか」と心の中で大いに自分を叱りとばすんですけど(笑)。だから、「ライブでも裏切りを見せてもらう場所を作らなきゃ」とは感じますね。


Text/清水耕司(超音速)

つづく
2011/08/10 13:00:00