中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 格闘技 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【格闘技】

井岡一翔が3-0判定で初防衛

2011年8月11日 紙面から

10R、エルナンデス(左)にボディを打ち込む井岡=後楽園ホールで

写真

◇WBC世界ミニマム級タイトルマッチ<12回戦>

(10日・東京後楽園ホール)

 WBC世界ミニマム級王者・井岡一翔(22)=井岡=が指名挑戦者の同級1位ファン・エルナンデス(24)=メキシコ=と激しい打撃戦の末、3ー0で判定勝ちし、初防衛に成功した。2月に日本選手で最短記録となるプロ7戦目で世界王座に就いた井岡は試合後「本当はKOしたかった。次は必ずKOをお見せします」と約束。厳しい減量を強いられるが、王座を返上することなく、年末に2度目の防衛戦を行う予定だ。

 リング上で突然のハッピーバースデーだ。勝ち名乗りを受けた井岡がマイクを取ると「お父さん、遅れたけど誕生日、おめでとう。何もしてあげられなかったから」と語りかけた。先月27日に45回目の誕生日を迎えたチーフトレーナーの父・一法さんは「聞き取れなかったけど、勝ったことが何よりうれしい」と照れくさそうに笑った。

 やるかやられるかの打ち合いだった。序盤、エルナンデスのトリッキーなスタイルにてこずった。だが、中盤以降はスタミナ切れの見えるエルナンデスを、時折、不気味に笑みすら浮かべ攻め込んだ。9回に鼻から流血させ、終盤はボディーブローでダウン寸前まで追い込んだ。

 元世界2階級制覇王者でジム会長の井岡弘樹氏が叔父で、チーフトレーナーの父は元プロボクサー。しかし、ボクサーになれと強制されたわけではない。偉大な叔父にあこがれ、中学入学前に自らボクサーになることを決めた。大阪・興国高時代、史上3人目の高校6冠を達成。東農大を中退後、プロ転向。「自分からボクシングを取ったら生きる希望がない」と、まっすぐに生きてきた。今年2月11日、国内最短のプロ7戦で世界王座に就いて、夢が完結。父に肩車されて号泣した。だが、満足する気持ちはさらさらなかった。「前回は記録を残したから、今回は記憶に残る試合をしたい」と熱い思いでリングに立った。

 「KOで勝ちたかったけど、これを糧にもっともっと強くなって、スーパースターを目指す」と井岡。夢は国内初の4階級制覇、そして、記録にも記憶にも残るボクサー。サクセスストーリーはまだ始まったばかりだ。(竹下陽二)

 

この記事を印刷する

PR情報

Ads by Yahoo!リスティング広告



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ