時代の荒波に漂流する「羊蹄丸」

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船尾の一部分を残し、現役当時の青函連絡船の色にほとんど塗り変えられた「羊蹄丸」

【編集局から】

　１９６５（昭和４０）年から８８年（昭和６３）年まで、青森と函館を結ぶ鉄道連絡船として活躍していたのは、青函連絡船「羊蹄丸」。

　引退後、日本海事科学振興財団「船の科学館」の所有となり、日本政府のパビリオン船などに活用された後、長く船の科学館（東京・東八潮）に展示されていました。

　しかし、資金面で所有・管理が困難になったことから、このほど同財団は、羊蹄丸の無償譲渡を決めました。期限は９月３０日までで、もし譲渡先が見つからなければ、解体される運命にあります。

　艦内には昭和３０年代の青森駅の様子が、懐かしさやちょっとした怖さとともに、超リアルに再現されていますが、こちらも海の科学館の本館展示休止に伴って終了します。仮申し込みは８月末のため、あと３週間。

　東日本大震災で東北地方を中心に多くの文化的、歴史的遺産が失われただけに、余計に残して欲しい気がします。