経済産業省原子力安全・保安院は10日、定期検査の最終段階に当たる調整運転を約5カ月間続けていた北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)の最終検査を終了した。11日に検査結果を内閣府原子力安全委員会が審査した上で、同省が営業運転の再開を判断する。
北電によると、同社は9日、保安院の指示を受けて最終検査を申請。同日午後から保安院の担当者が検査を実施し、10日午後6時に終了した。安全委員会の審査後、同省から検査終了証を交付されれば、東京電力福島第1原発事故後に再開される、初の営業運転となる。寺坂信昭保安院長は10日の記者会見で「(安全委の審査を経ることで)より一層の安全確保、信頼向上につなげたい」と述べた。
一方、営業運転再開に反対する市民団体は、道庁と北電に抗議の緊急声明を提出し、札幌市内で署名活動を行った。運転再開差し止め訴訟原告団代表、泉かおりさんは「他の停止中の原発もなし崩し的に再稼動させられるのではないかと、全国各地の住民が不安を感じている。3号機も一度停止した上で安全性を確認すべきだ」と訴えた。【大場あい】
毎日新聞 2011年8月11日 0時25分(最終更新 8月11日 0時27分)