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九電やらせ問題:古川知事発言 佐賀支社長メモ全文

 九電佐賀支社長作成のメモ全文は以下の通り(実物はA4判2枚の横書き。左上に「関係者外秘」の判が押されている)。

平成23年6月21日

 段上副社長・諸岡常務退任挨拶(あいさつ)メモ

 1・日時 平成23年6月21日 8時50分~9時15分

 2・場所 知事公舎

 3・挨拶先 佐賀県 古川知事 (当社)段上副社長、諸岡常務、大坪支社長

 4・内容 副社長、常務から退任の挨拶を行った後、懇談に入った。以下、古川知事発言のみ記載

 ○発電再開に向けた動きを一つ一つ丁寧にやっていくことが肝要である。

 とりあえず、「国主催の県民向け説明会」を26日(日)午前中に開催することとなった。その後、月末から来月初めにかけて「経済産業大臣に来県」いただく予定である。

 ○20日から始まったIAEA閣僚級会議にも注目しており、国には「IAEAから緊急時対策を評価するコメント」を出してもらえるように説得工作すべしと進言しているが、国側は「今回は裁かれる側の立場なので言いにくい」と頼りない返答ぶりであった。

 ○「国主催の県民向け説明会」は、ケーブルTVやインターネットで中継し、県民の代表者5人程度が質問する形で開催する予定である。

 ・県民5人の構成をどうするかだが、一人は商工会議所の島内専務理事を予定している。

 ・反対派も一人入れようかと考えたが、反対を標榜(ひょうぼう)する人達(たち)にもいろいろな考えがあり、複数のグループから代表者を一人選抜することが難しいとのことであったため、残りは県民代表として普通の参加者を選ぶことになるであろう。(イベント企画会社が運営する予定)

 ・普通の人に素朴な疑問をぶつけてもらうのが会の趣旨に沿うことになると思う。反対派はかなり勉強もしており、専門的議論になってしまうと、一般県民にはつまらなくなる懸念がある。

 ○県民の不安は原子力発電所そのものではなく、目に見えない放射線への恐怖に対してである。それに答えるべき保安院は全く信用を失っている状況。そのような不安に答えるために長崎大学の放射線医学の専門家に同席してもらうことも考えているが、国主催の説明会なので難しいかもしれない。(専門家の承諾が貰(もら)えないかもしれないとのこと)

 ○今後の動きに関連して、以下の2点を九電にお願いしたい。

 (1)自民党系の県議会議員さんはおおかた再起動の必要性について分かっているが、選挙を通じて寄せられた不安の声に乗っかって発言している。議員に対しては、支持者からの声が最も影響力が大きいと思うので、いろいろなルートで議員への働きかけをするよう支持者にお願いしていただきたい。

 (2)「国主催の県民向け説明会」の際に、発電再開容認の立場からも、ネットを通じて意見や質問を出して欲しい。(6月2日の県執行部に対する保安院説明時と同じ対応をお願いしたい)

 ○このような段取りを踏んでいく際、危惧される国サイドのリスクは「菅総理」の言動である。発電再開に向けての総理自身のメッセージが発せられない。全国知事会議では、発電再開に向けてのメッセージを読み上げる予定で、経産省とすり合わせた原稿が用意されていたのに、その場になって読み上げてくれなかった。6月末から7月にかけて「菅さん」が首相のままかどうか分からないが、首相の言動で考えているスケジュールが遅れることを心配している。以上

毎日新聞 2011年8月9日 20時03分

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