2011年6月13日 11時56分 更新:6月13日 19時20分
北沢俊美防衛相は13日午前、沖縄県庁で仲井真弘多知事と会談し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設先として、同県名護市辺野古に建設するとしている代替施設について、滑走路2本の「V字形」とする方針を正式に伝えた。日米両政府が21日にワシントンで開く外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、昨年5月の日米合意に基づき「V字形」を確認することを説明。しかし、仲井真知事は「県外移設」を求めて強く反発し、実現の見通しは立っていない。
北沢氏は「日本政府として騒音などをいろいろ勘案した結果、V字形で調整したい」と説明。2014年までの普天間移設の完了は困難との認識も示し、「普天間固定化に直結する危険性もあるので、『できる限り早い実現をはかる』ということで、2プラス2で日米合意を得て文書化したい」と述べた。
これに対し、仲井真知事は「両政府で決めても、県民や地域住民の納得がないと事実上進めることはできない。まことに遺憾だ」と強く批判した。
北沢氏は、米国防総省が垂直離着陸機MV22オスプレイを来年後半に普天間飛行場に配備と発表したことについて「正式な通知はないが、そういう方向で進んでいる。詳細なデータは提供したい」と説明したが、仲井真知事は「開発期間中や実用段階でも、しょっちゅう事故を起こした履歴は、みんなの記憶に鮮明に残っている。県民代表として、とても分かりましたとは言えない」と述べ、反対する考えを改めて伝えた。
【坂口裕彦、井本義親】