東京都立川市の警備会社「日月警備保障」立川営業所から約6億円が奪われた事件で、警視庁立川署捜査本部は9日、新たに住所不定、自称運転手、藤沢千秋容疑者(41)を強盗傷害容疑などで逮捕した。藤沢容疑者は事件直後、指示役とされる蓑田哲郎被告(46)=強盗傷害罪などで起訴=らと携帯電話で連絡を取り合っており、捜査本部はリーダー格の一人とみて、約2億3000万円しか見つかっていない被害金の行方を追及する。事件の逮捕者は計10人となった。
逮捕容疑は5月12日午前3時ごろ、蓑田被告らと共謀して営業所に侵入し、男性警備員に刃物などで重傷を負わせ現金約6億円を奪ったとしている。藤沢容疑者は調べに対して「そんなのは知らない」と容疑を否認しているという。
捜査本部によると、藤沢容疑者は指定暴力団山口組系組に所属していた経歴がある。蓑田被告と亀治中博之被告(41)に面識があったという。
藤沢容疑者は、蓑田被告らの携帯電話の通話記録や供述から浮上。事件直後、現金の運搬や保管場所、逃走ルートなどについてやり取りしていたとみられるという。
事件では、蓑田被告ら指示役、渡辺豊被告(41)ら実行役、佐久間努容疑者(37)ら現金運搬役が逮捕されているほか、佐久間容疑者が逃走していた際にかくまったとして、3人が犯人蔵匿容疑で逮捕されている。【山本太一、内橋寿明、小泉大士】
毎日新聞 2011年8月9日 21時21分(最終更新 8月10日 0時08分)