2011年8月9日
東日本大震災の津波でなぎ倒された岩手県陸前高田市の松でできた薪(まき)を、京都の大文字送り火で燃やす計画が中止になった問題で、放射能汚染の心配がないと判明したのに計画が取りやめになったことへの批判や抗議が、京都市に300件以上寄せられた。
京都市によると、中止が報じられてから8日夕までの3日間でメール180件、電話130件以上が殺到。大半が中止になったことへの批判で、「被災者を傷つけた」「風評被害を助長する」「京都のイメージが悪くなった」など厳しい言葉が続いた。岩手や宮城など被災地をはじめ、全国各地から寄せられたという。
送り火の主催者として被災した松の薪を燃やす計画を進め、不本意ながらも中止を決めた「大文字保存会」(京都市左京区)。ある理事は、「批判は覚悟していたが、こんなに寄せられるとは……」と困惑した様子で語った。