2011年8月8日 22時36分 更新:8月8日 23時34分
菅直人首相の資金管理団体「草志会」(東京都武蔵野市)が相模原市の政治団体に3年間で計6250万円を献金していた問題の謎が深まっている。自民党は使途を明らかにするよう迫っているが、菅首相は「ローカルパーティー(地域政党)との連携、支援」と詳しい説明を避けている。「クリーンでオープン」を売り物にしてきた首相だけに、一層の説明責任が問われそうだ。
この政治団体は「政権交代をめざす市民の会」。政治資金収支報告書によると、草志会は▽07年=5000万円▽08年=1000万円▽09年=250万円--の計6250万円を献金。統一地方選と参院選があった07年の献金額が最も多い。
8日の衆院予算委員会では、自民党の古屋圭司氏が献金の目的について「選挙支援ではないか」「(選挙)運動員買収の可能性もある」と公職選挙法違反にあたる可能性を指摘した。しかし、首相は「(市民の会との)連携、あるいは支援のためだ」と繰り返し、具体的な説明を避けた。
市民の会に対しては首相だけでなく、鳩山由紀夫前首相の資金管理団体が07年に1000万円を献金。ほかに2人の民主党議員の関連政治団体が同年に計890万円を献金しており、市民の会の同年の収入8770万円のうち7割以上にあたる6890万円が同党側からのものだった。
自民党国対幹部は「今のところ明確な法律違反は見つからないが、ギリギリのカネの配り方だ」と不透明さを指摘している。
自民党は、市民の会が地域政党「市民の党」と関連があるとも指摘。市民の党が今春の東京都三鷹市議選で、北朝鮮による日本人拉致容疑者の親族を擁立(落選)したことも関連づけ、首相を追及する構えだ。
これに対し、民主党の岡田克也幹事長は8日の記者会見で「私は市民の党というのは初耳だ。幹事長や代表を長くやっているが、その過程で接点はない」と述べ、関係を否定した。【西田進一郎、佐藤丈一】