新宿伊勢丹はなぜ百貨店業界で一人勝ちしているのか
プレジデント 5月31日(火)10時31分配信
「失われた20年」といわれる景気低迷の中、家庭で何が最初に節約の対象になるかといえば、お父さんのスーツです。結果、どこの百貨店でも紳士服売り場が縮小されて、ミドルより少し上のアッパー層の男性が服を買う場所が百貨店からなくなってしまった。
伊勢丹新宿店はかつて「ヤングカジュアルが日本一売れる」といわれたヤングファッションの聖地ですが、いまでも品揃えから売り場づくりまで、充実ぶりは抜きん出ています。そして百貨店で一番売れないといわれる紳士服売り場でも、一人勝ちの結果を出しているところに伊勢丹の強さの秘密があるように思います。
ただし、業績堅調なのは伊勢丹新宿店という単体の店舗だけです。三越伊勢丹ホールディングスの11年3月期(第3四半期まで)の損益計算書を見ると、全体としての売り上げは前期の9785億円から9359億円に落ちている。新宿店の成功パターンを地方の店舗に持っていけていないのが実情です。
景気指標の「全国百貨店売上高」を見れば業界全体の落ち込みぶりは一目瞭然で08年、09年、そして10年(10月を除く)と、ずっと前年比マイナスが続いています。震災の影響で今年3月以降も厳しい。伊勢丹新宿店の一人勝ち状況がどうなるか、気になります。
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小宮コンサルタンツ代表取締役
小宮一慶
小川 剛=構成
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最終更新:5月31日(火)10時31分
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