72年ぶりに復活したコメの先物市場は9日、東京穀物商品取引所(東穀取)で初値がついた。1俵(60キロ)あたり1万7280〜1万7400円で、ほぼ、この日の値幅上限いっぱいで成立した。値がつかなかった8日に続き、高値での注文が相次いでいる。
9日は、取引価格の目安となる基準値を初日の1万3500円から1万6400円に一気に引き上げ、取引が成立しやすいように運用を変えた。初日に想定を大きく上回る1万8500円前後での注文が相次いだことを受けた措置だ。
原発事故に伴うコメの汚染への懸念などから、今年産米の供給が減るとの見方が取引関係者に広がっており、初値は異例の高値となった。東穀取は「初値がついてほっとした。コメの価格指標になれるよう、多くの参加者を募りたい」(業務部)と話している。初値での取引量は2476枚(1枚は6トン)だった。