残業という概念
私は残業という概念が嫌いです。別に会社に定時より早く出社するのも、残業するのも、最終的には個人の選択で、良い悪いという話ではありません。ただ、働いている時間に対して給与をもらう、いわゆる時間給という概念が、知的労働者(ホワイトカラー)には合わない、と思っているからです。
その理由は単純です。ホワイトカラーに労働時間で給与を払うということは、同じ時間仕事をしても、人によってアウトプットの量や質がが異なる、という厳然たる事実を、全く無視しており、どちらかといえば、「 仕事が出来ない人のほうが、仕事ができる人より、多く給与をもらうシステム」だからです。
例えばAさんはある仕事を仕上げるのに8時間かかり、Bさんは同じ仕事に10時間かかるとしましょう。この場合、もちろん一般的にはAさんの方が優秀ですよね?でも給与的には、仕事ができないBさんの方が、Aさんより2時間分多い給与をもらう、ということになります。おかしいですよね?
私自身は若いころ(まだ残業代の対象だったころ)、確か社会人2年目くらいまでは、仕事が楽しくて仕方がなかったこともあり、また働けば働くだけアウトプットもラーニングもあるし、また激しく働くのは仕事に対する一生懸命さの証明かな、と思って、毎月80時間というレベルで残業や休日出勤をしてました。
でも突然、残業代を多く申請している(多くの残業をしている)のは、一生懸命さは表すかもしれないけど、優秀さは決して表さない、ということにハタと気づきました。何しろ、それだけの費用(残業代)を会社が払っているんですから、会社から見た投資対効果は微妙ですよね。
それ以来、「実際に会社にいた時間 − 自分がフルに働いていない時間」を実際の仕事時間とみなし、その時間が基準労働時間をオーバーした分だけ残業を申請することにしました。自分がフルに働いていない時間とは、例えばランチ時間を規定より長くとった場合とか、同僚と雑談をしている時間とか、(当時喫煙者の私が)タバコを吸いに出ている時間(1日4回で、約1時間とみなしました)などです。
この考え方は多くの会社の規定には合わない(多くの会社規定では、「オフィスにいた時間 = 仕事時間」とみなします)ので、他の方に勧めるつもりも無いし、勧めるのは立場上できません。ただ、残業時間が多いということを、上司やマネジメントがどう見るかは、理解していた方がいいし、規定上はオフィスにいる時間は「全力で」仕事をすることが前提(例えば外にコーヒーを飲みに行っている時間も、残業代は発生している)ということは忘れないでいて欲しいと思います。もちろん、正当な残業に対しては対価は支払われるべきですが(サービス残業など、もっての他、と思います)。
なーんて、何だか、説教じみちゃいましたね。次回はもう少し明るい話題を。。。
VOICE
from足立光の外資系日記 『負けない日本人』
P&G ファー・イースト(日本)に入社後、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン、ローランド・ベルガーを経て、ヘンケル ライオン コスメティックス(現シュワルツコフヘンケル)に転じ、2005年4月社長就任。赤字続きだった業績を急速に回復させ、2007年3月よりヘンケルジャパン取締役シュワルツコフ プロフェッショナル事業本部長、シュワルツコフ ヘンケル株式会社 取締役会長 北東&東南アジア統括を兼務、現在に至る。
その理由は単純です。ホワイトカラーに労働時間で給与を払うということは、同じ時間仕事をしても、人によってアウトプットの量や質がが異なる、という厳然たる事実を、全く無視しており、どちらかといえば、「 仕事が出来ない人のほうが、仕事ができる人より、多く給与をもらうシステム」だからです。
例えばAさんはある仕事を仕上げるのに8時間かかり、Bさんは同じ仕事に10時間かかるとしましょう。この場合、もちろん一般的にはAさんの方が優秀ですよね?でも給与的には、仕事ができないBさんの方が、Aさんより2時間分多い給与をもらう、ということになります。おかしいですよね?
私自身は若いころ(まだ残業代の対象だったころ)、確か社会人2年目くらいまでは、仕事が楽しくて仕方がなかったこともあり、また働けば働くだけアウトプットもラーニングもあるし、また激しく働くのは仕事に対する一生懸命さの証明かな、と思って、毎月80時間というレベルで残業や休日出勤をしてました。
でも突然、残業代を多く申請している(多くの残業をしている)のは、一生懸命さは表すかもしれないけど、優秀さは決して表さない、ということにハタと気づきました。何しろ、それだけの費用(残業代)を会社が払っているんですから、会社から見た投資対効果は微妙ですよね。
それ以来、「実際に会社にいた時間 − 自分がフルに働いていない時間」を実際の仕事時間とみなし、その時間が基準労働時間をオーバーした分だけ残業を申請することにしました。自分がフルに働いていない時間とは、例えばランチ時間を規定より長くとった場合とか、同僚と雑談をしている時間とか、(当時喫煙者の私が)タバコを吸いに出ている時間(1日4回で、約1時間とみなしました)などです。
この考え方は多くの会社の規定には合わない(多くの会社規定では、「オフィスにいた時間 = 仕事時間」とみなします)ので、他の方に勧めるつもりも無いし、勧めるのは立場上できません。ただ、残業時間が多いということを、上司やマネジメントがどう見るかは、理解していた方がいいし、規定上はオフィスにいる時間は「全力で」仕事をすることが前提(例えば外にコーヒーを飲みに行っている時間も、残業代は発生している)ということは忘れないでいて欲しいと思います。もちろん、正当な残業に対しては対価は支払われるべきですが(サービス残業など、もっての他、と思います)。
なーんて、何だか、説教じみちゃいましたね。次回はもう少し明るい話題を。。。
from足立光の外資系日記 『負けない日本人』
P&G ファー・イースト(日本)に入社後、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン、ローランド・ベルガーを経て、ヘンケル ライオン コスメティックス(現シュワルツコフヘンケル)に転じ、2005年4月社長就任。赤字続きだった業績を急速に回復させ、2007年3月よりヘンケルジャパン取締役シュワルツコフ プロフェッショナル事業本部長、シュワルツコフ ヘンケル株式会社 取締役会長 北東&東南アジア統括を兼務、現在に至る。
経済トピックス
- 関電、火力発電5基を再稼働へ
- 米株式市場は「パニックモード」
- 笑いたくなる"S&Pの計算ミス"
- 日本の電気料金規制の怪しい部分
- ビジネスメールで一番多い失敗談
- ソフトバンクの方針転換「賢明」
- 猛暑になるほどおトクな割引一覧
- 仕事できないのに給与多い仕組み
- 30代男性に最多の前職を辞めた訳
- 会員制サービスの業界事情
おすすめ商品
関連ニュース:残業
- 残業という概念VOICE OF CAREER 08月08日18時00分(32)
- 「六重苦」にあえぐ自動車産業 トヨタ専務「労働規制が厳しすぎる」
J-CASTニュース 08月04日20時30分(57)
- なぜ中国人は「ごめんなさい」と頭を下げないのか
Business Media 誠 07月27日15時09分(39)
- 「副業」と「複業」どこが違うの? サラリーマンの新しい生き方を考える
ガジェット通信 07月31日08時07分(3)
- 6月の残業が前年並みに、生産活動に回復の兆し日本人材ニュースHRN 08月04日07時30分(1)
経済アクセスランキング
- ソフトバンクはガスタービンで電力自由化の旗手になれ池田信夫/アゴラ 09日01時52分 (6)
- 残業という概念VOICE OF CAREER 08日18時00分 (32)
- 芸人に学ぶ「3ヶ月で一流のビジネスマンになる方法」
日刊SPA! 08日23時35分 (6)
- 仕組まれた格下げ? 経済ニュースゼミ 08日13時48分 (3)
- PS VITAの値下げの確率東京のはじっこで愛を叫ぶ 07日21時59分 (3)
- 加藤さんを下等さん。ビジネスメールあるある失敗談COBS ONLINE 08日19時00分 (1)
- 米ケーブルテレビでポルノ人気低迷 原因はインターネット福山万里子/The Wall Street News 07日15時09分 (8)
- 違法ダウンロード、年12億件=音楽ファイル―レコード協会調査時事通信社 08日20時29分
- 30代男性「会社の将来が不安」で転職、40代はリストラが理由日本人材ニュースHRN 09日07時30分 (1)
- 日本の電気料金は米国の2倍! 殿様商売はなぜ成り立つか?NEWSポストセブン 09日07時00分 (8)