倒産・動向記事
2011/08/08(月) | CDショップ「WAVE」の経営 株式会社WAVE 全店舗閉鎖、自己破産申請へ 負債24億5000万円 |
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「東京」 (株)WAVE(資本金4450万円、港区六本木3-16-26、代表岡本次子氏)は、6月28日付で債務整理に入っていたが、7月末に全店舗を閉店し、8月6日付で自己破産申請の準備に入ったことを明らかにした。
代理人は押金隆広弁護士(新宿区改代町26、電話03-5206-7775)。
当社は、1993年(平成5年)1月に音響、映像ソフト小売を目的に設立。「WAVE」の店舗名で、音楽CDを主体にDVDなど音響、映像ソフト、関連商品や書籍類を販売。大規模な独立店舗やインショップなどの形態で、ピーク時には40店舗強にまで拡大し、97年2月期(その後、決算期変更)には年売上高約122億円を計上していた。この間、大手ファッションビル経営業者や大手音楽ソフト小売業者、さらには大手家電量販店の傘下を経て、2008年8月からDVD、中古ゲームソフト小売業者の子会社となるなど親会社が頻繁に交代していた。
しかし近年は、市場の縮小を受け、店舗のスクラップを進めていた。この間、アーティストイベント事業のほか、家族向けのキャンドルクラフト事業、さらには地下鉄構内でドーナツなどの各種洋菓子を販売するスイーツ事業を立ち上げるなど新規事業に着手したものの、本格軌道に乗らず、2010年8月期には年売上高約53億2800万円にまで落ち込んでいた。
こうしたなか、販売不振に伴う資金繰り悪化から2010年12月、2011年1月の決済で一部取引先に対する支払いの延期要請を行うなど注目されていた。このため、2月末までにアーティストイベント事業、スイーツ事業から撤退。加えて、今年に入って以降、5月までに21店舗を閉鎖し8店舗の運営にするなどリストラを進めていたが、その後も販売不振に歯止めがかからず、6月28日付で債権者に対し、債務整理開始を通知。4店舗まで縮小し、営業を継続していたものの、7月末日の大宮店閉店を最後に全店舗を閉鎖、今後の支払いが不能となる状況に陥ったため、今回の事態となった。
負債は債権者約173名に対し約24億5000万円だが、今後、膨らむ可能性がある。