さすが〝辞める辞める詐欺〟の菅直人首相(64)である。「一定のメド」と自分で口にしたはずの第二次補正予算案が7月25日に成立したが、首相の座を明け渡すどころか、喉元過ぎた翌26日、衆院でケロリとしてこう言い放った。
「何が何でも早く解散と言うのは国民の気持ちと離反している」「私は(参院選との)ダブル選挙でいいと思っているが、国民に信を問う時は必ず来る」
額面通りに受け取れば、2013年の夏まで辞める気はないということだ。菅首相が掲げる「脱原発」に賛成が8割弱という世論調査結果(朝日新聞)に気をよくしたのは1ヵ月半も前の話だ。与野党のほぼ全議員から嫌われても、いまだにこんな自信を漲らせていられるのは、ある人物の後ろ盾があるからであろう。
「ソフトバンクの孫(正義社長)さんが、幹部に『メタンハイドレート(注)が利用できるようになるのは、まだまだ当分先です。今は電力事業に橋頭堡を築く時です』と訓辞したと聞きます。携帯電話市場は '08年の段階で9割に手が届き、すでに飽和状態ですから、業態転換に動き出したのかもしれません。孫さんにとって、菅首相が掲げる『脱原発』が、ビジネスチャンスと映るのでしょうね」
こう語るのは、ある経済産業省のキャリア官僚である。孫社長が、菅首相に接近したのは、ソフトバンク広報の説明によれば、月刊誌『世界』(6月号)に孫氏が寄稿した脱原発論にシビれた菅首相が東京・赤坂の料亭「球磨川」で会食をセットしたのが始まりだそうだ。政治部記者の間では、二人の間を取り持ったのは、元代議士で現在、ソフトバンク社長室長を務める嶋聡氏(53)とも言われる。
孫氏が出席していた6月15日の「再生可能エネルギー普及」を訴えるイベントに菅首相は飛び入り参加し、「国会には菅の顔をもう見たくないという人がたくさんいる。それならこの法案を通したほうがいい」と吠え、「再生可能エネルギー電気調達特別措置法」成立を、半ば孫氏に向けてアピールした。
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