東日本大震災と原発事故の影響で多くの教員の異動が4カ月延期された福島県の公立小中学校で、夏休みに入り、先生の「離任式」が相次いで開かれている。福島市内では29日、小中50校で離任式があり、被災体験を共にした先生と児童・生徒が別れを惜しんだ。
3人が離任する同市清明町の市立清明小では、児童を前に、定年退職が4カ月延びた勝見州良(くによし)校長が「震災後もみんな笑顔がすてきで素晴らしかった。人のために何かできる人になってほしい」とあいさつ。学舎を後にする先生に児童が花束を手渡した。担任教諭が離任した6年の吉野圭哉(けいや)さん(11)は「校庭で遊べないので体育館で先生とバスケットボールをしたのが思い出。卒業まで一緒にいたかった」と話した。
同県教委は高校教諭を併せて今春に異動・退職予定だった3289人の人事を8月1日付で発令した。【蓬田正志】
毎日新聞 2011年7月29日 東京夕刊