東京穀物商品取引所(東京・中央)と関西商品取引所(大阪市)は8日午前、コメ先物を試験上場した。国内のコメ先物の取引は72年ぶり。両取引所は「最後の大型商品」として流通業者などのヘッジ(保険つなぎ)や、新たな投資商品として資金の取り込みを図る。東穀取では取引開始直後から価格が付かず、波乱のスタートとなった。
東穀取の渡辺好明社長らが午前9時に取引開始を告げる鐘を鳴らし業務を開始。上場したのは関東産コシヒカリ。取引開始直後に買い注文が売り注文を大きく上回り、一時的に取引を中断するサーキットブレーカーが発動された。2012年1月物には1俵(60キログラム)1万8500円の買い注文が入った。東穀取が事前に示した基準値(1万3500円)が安いとの見方が多く、売買は成立していない。
渡辺社長は記者会見で買い注文が多かったことについて福島第1原子力発電所の事故の影響で流通検査などが徹底されることから「11年産の出回り量がタイトになる」と説明した。
関西商取は北陸産コシヒカリが対象で初値は1万9210円(12年1月物)だった。午前の売買高は6511枚(枚は最低取引単位)。関西商取の岡本安明理事長は「コメは日本から価格を世界に発信できる唯一の商品。関西の金融界の活性化につなげたい」などと話した。
コメ先物は江戸時代の大阪・堂島で始まり明治以降も続いたが戦時下の1939年に全廃。戦後は食糧管理制度のもと国がコメの流通を管理。04年の法改正で流通がほぼ自由化され、取引所でも先物の上場準備を進めていた。日本で主食にしている「短粒種」の先物市場は欧米・アジアにも存在しない。
東京穀物商品取引所、コメ
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