「もんぺ」が韓国の最新ファッショントレンドに

写真=許永翰(ホ・ヨンハン)記者
【金潤徳(キム・ユンドク)記者】 「あら、これ完全に『もんぺ』じゃない。おばさん用でしょ」「何言ってるの! 20代の女性から注文が殺到して、品切れになるほど人気なのよ」

 衰えることのない「レトロ調」人気に乗かって、「もんぺファッション」がいっそうブレイクする兆しを見せている。もんぺを応用したスタイルではなく、1960-70年代の中年女性が作業用に来ていた「もんぺ」そのままだ。もんぺファッションと同じ系列と思われるバギーパンツやサルエルパンツとも明らかに異なる。ウエストゴムに丸みのある脚の筒部分、レーヨン素材の布に、細かいプリント模様はまさに「ダサい」もんぺだ。

 ソウル市中区小公洞の地下商店街で衣料品店を経営するチェさんは「フリーサイズなのでどんな体形でも楽に着られる。特に20代の女性に人気がある」と話す。インターネット通販でも「もんぺ(www.mombbe.co.kr)」というショップが人気だ。宣伝のキャッチコピーは「センスが良くておしゃれなもんぺスタイルにハマる」だ。デパートでも、また上が深いハイウエストのパンツやスカート、角張った肩を強調するジャケットなど、これまで「ダサい」と言われてきた古風なファッションを掲げる店が多い。

 アバンギャルドなバギーパンツでも、サルエルパンツでもないもんぺの人気はどこから始まったのだろうか。スタイリストのソ・ジョンウンさんによる分析は興味深い。「80年代半ばから90年代初めに生まれた20代の若者たちは、もんぺの本来の用途を知りません。自分の母親たちがそれを身に着けて働く姿を見たことがないでしょう? 最近は核家族だから、おばあさんたちが普段着ている服を見ることもめったにありません。だから、このウエストゴムのパンツをとても風変わりなファッションとして取り入れているのです。戦争で苦労した親世代が食べることのできなかった『プデチゲ(=部隊チゲ、在韓米軍が配ったソーセージなどを入れて作ったのが発祥とされるキムチ入りの鍋料理)』を、私たちの世代が好んで食べるのと同じです」

 もう一つの理由は実用性。軽くて動きやすく、しわになりにくいデザインのため、これほど活動的で楽な服はないということだ。「トレーニングウェア・ファッションやもんぺファッションなど、10-20代を中心に人気が高まっている『ドレスダウン』現象ですね。彼らのファッション・コンセプトにきちんと着こなすスーツなどはまったくありません。決まりや公式がなく、できるだけ「ダサ」く、バランスの取れていない着こなしが“クール(かっこいい)”だと思っているのです」

 ファッションブランド「プッシュ・ボタン」のデザイナー、パク・スンゴンさんは「もんぺファッションはいわゆる『ブランド』『ラグジュアリー』と言われる高級ファッションへの反動」と解釈している。「ブランド品は、服が多くなりすぎると、工場で大量生産しているような画一的なものが増えますよね。女優コン・ヒョジンに代表される個性派のファッションリーダーたち、珍しいものやオリジナリティーを追求する若い世代がいるからこそ、ビンテージやレトロといった流行が続いているのです。前衛的でおしゃれですから」

 ただし、もんぺを着る際のトップスはTシャツのようにシンプルなデザインのものを選ぶべきだ。また、スレンダーな体形の女性の方が「よく似合う」こともお忘れなく!

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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