視覚的ヘイトスピーチの暴力

 昨日、新月お茶の会の例会からの帰り、渋谷駅で東横線コンコースへ向かって階段を降りていると、こんな紙が頭上に貼ってあるのに気づいた。

革(華?)人和 朝鮮狗 禁止入國

革(華?)人和 朝鮮狗 禁止入國


 おそらく中国語だろう。ぼくには中国語の素養はあまりないので、これを正確に読むことはできない(どなたか訳していただきたい)――が、「朝鮮狗」「禁止入國」といったあたりから、この紙に書かれているメッセージは十二分に伝わってきた(どこかで見覚えのあるエロゲーのキャラを使っているあたりも実に業腹だ)。
 この言語を読むことのできるネイティヴのひとが、ふとこの紙を目に留めたときの心中たるや、いかばかりか。これこそ、視覚的ヘイトスピーチの暴力と呼ぶにふさわしい。
 ぼくは、バカには恥をかくことで責任を取ってもらうという黒木玄ルールがけっこう好きなので、ヘイトスピーチについても基本的に、そのような(対抗言論が提供され、恥をかいてもらう)場が担保されていれば、とりあえずはOKという立場である。その点、戦う民主主義を日本にも! と標榜している、はてな左翼の北守あたりとはやや意見を異にする。なので、とりあえずこうして愚かなものを、愚かなものとして提示している。
 が――その思いがいささか揺らいだのも事実である。こういう、あからさまに差別的な言辞を掲示する自由までが、表現・言論の自由で守られるべきなのか?「コンビニ置きのエロマンガは女性や子供に対する視覚的暴力」のような言論に加担するようで、個人的にはたいへん困った事態なのだけど。
 ともあれ、このような愚挙に、ぼくは断乎として抗議するものである。


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視覚的ヘイトスピーチの暴力 への3件のコメント

  1. jean-pierre より:

    これはヘイトスピーチではありませんよ。
    ごく当然の事が書いてあるだけですから。

  2. st.plus1 より:

    生産活動の成果である訴求力を憎しみを訴える道具にして食い潰す人達に怒りを禁じ得ません。
    ボーカロイドにヘイトスピーチをさせてる動画なんかも見かけるたびに居た堪れない気持ちになります。
    けど、自分は健全なアニメキャラがレイプされてる同人作品を消費している人間なので大きな声で反対出来ないし複雑な気分です。
     これを法や条例で規制しようなんてことになったら、お目こぼしで繋いでる文化は一網打尽になりかねません。結局僕らと同じ穴の狢なんだということを受け入れて仲間目線で宥めて行くしかないと思います。
    どういう言葉で諭せばいいのか全く見当つかないけど……馬鹿野郎と喝破してもこういう人達は憎しみを増幅させてくだけでしょうね。

  3. ピンバック: 視覚的ヘイトスピーチを塗りつぶす突発ひとりオフ会の報告 | LUNATIC PROPHET

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