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【経済】

コメ先物、72年ぶり復活 東京初値付かず

2011年8月8日 12時12分

コメ先物取引開始式で、鐘を鳴らす東京穀物商品取引所の渡辺好明社長=8日午前9時2分、東京都中央区の東京工業品取引所で

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 東京穀物商品取引所(東京)と関西商品取引所(大阪)は8日、72年ぶりとなるコメの先物取引を行った。東穀取では関東産コシヒカリの取引開始時点から、値幅制限の上限を超える価格で買い注文が殺到したため、売買を一時中断する措置が取られ、初値が付かなかった。

 東日本大震災や福島第1原発事故、新潟・福島豪雨で東北、北関東などコメどころが甚大な被害を受けたことから、コメの需給が逼迫(ひっぱく)し値上がりするとの予想が増え、取引が成立しない波乱の幕開けとなった。

 取引方式が異なる関西商取では、午前9時の立ち会いで北陸産コシヒカリが60キロ=1万9210円(12年1月きり)を付けた。同10時の立ち会いでは1部取引がストップ高となった。

 コメ先物は江戸時代に大阪・堂島で誕生し、戦時統制で1939年に途絶えるまで約200年間続いた。低迷する国内商品先物取引の切り札として、関係者が早期再開を働き掛けてきた。

 両取引所はそれぞれ記念式典を開催した。

 取引対象となる標準品は、東穀取が関東産コシヒカリ(茨城、栃木、千葉県産)、関西商取は北陸産コシヒカリ(石川、福井県産)。

 コメ先物取引は気象条件、景気動向などを反映した値動きを農家や流通業者に提供する機能を備える。試験上場の期間は2年で、農業関係者の間で価格指標として定着するかが鍵となる。

(中日新聞)

 

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