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【政治】

「食品は安全」強調自粛 外務省、汚染牛問題受け

 松本剛明外相が、東京電力福島第一原発事故をめぐる日本食品の海外向け風評被害対策に関し、これまで「日本で流通している食品は安全」と強調してきた主張を自粛するよう外務省内に指示したことが七日、分かった。放射性セシウムで汚染された牛肉が全国に流通したため。当面は再発防止策と「食の安全」に関する情報公開の徹底に力点を置く考えだ。

 日本産食品については当面、牛肉であるか否かを問わず安易に「安全」という表現は使わないようにする。汚染牛問題で「日本で流通している食品は安全」との主張に疑問が投げかけられた以上、明確な根拠を示さずに安全性を強調すれば「相手国に不誠実な印象を与える」(外務省幹部)と判断した。

 汚染牛肉問題で、外務省が作成した見解は「暫定規制値を超える牛肉が流通した事実については、関係省庁が再発防止に向けて対応している」と説明。その上で「迅速で正確な情報提供に全力を挙げる」としている。大使館など在外公館に対し現地の関係当局、輸入関連業界、報道機関を対象に再発防止と情報公開に取り組む日本政府の姿勢を積極的に説明するよう求めた。

 汚染牛肉問題に絡み、日本にとって最大の輸出相手国である中国が、輸入規制緩和方針を保留する考えを日本に伝達。外務省筋は「汚染をめぐる懸念は牛肉からコメへと広がっている。各国が不安に思うのも無理ない」と認める。

 風評被害対策に関し、松本氏は七月八日の記者会見で「日本国内で流通している産品は安全だと説明し、理解を求めたい」と述べた。

 その後、肉牛から暫定規制値を超えるセシウムが検出される事例が相次ぎ、複数国が日本側に事実関係を問い合わせてきた。

 

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