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トコトン議論〜日本のエネルギー政策を考える〜

こういうのもヘイトスピーチだと思うよ

非国民通信

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古米に行列 セシウム検出で新米売れない(日刊スポーツ)

 コメの放射性物質検査方法が3日に発表されたこともあり、都内のコメ店では古米(10年産)の品薄状態が続いている。東京・目黒区のコメ店「スズノブ」では4日、古米を求め主婦らが列をつくった。6人の男性従業員は汗だくで倉庫から米袋(30キロ)を運び、精米や袋詰め作業に追われた。創業60年以上の同店3代目の西島豊造さん(50)は「古米を大量購入するお客さんが数日前から急増し、震災直後の『買いだめ』の時と同じような現象が起きています」と話した。

 福島第1原発事故の影響で7月中旬、(牛のえさの)稲わらからセシウムが検出され、それ以降、古米の問い合わせや購入者が徐々に増え始めたという。この日も、「ブランドは何でも良いので古米はありますか?」「1人何キロまで購入出来ますか?」など200件以上の問い合わせがあり、インターネット販売は“全品完売”で、一時中止にした。



 震災後、古米の卸問屋と小売店の取引価格は急騰した。西島さんは「(震災前に比べ)各ブランド米は3割から5割上昇しました」と嘆く。しかし、同店では大半の古米は震災前に購入しており、値上げはせずに販売しているという。「1年前の米で、品質が落ちるため値段は上げたくない。出来れば新米を食べてほしい」と呼び掛けた。30日には、高知産の新米「南国そだち」が40袋(1袋30キロ)入荷した。「風評被害なのか高知の新米ですら全く売れません。秋になったら新米はどうなってしまうのか。米の安全性をアピールするためにどうしたらよいのか分かりません」と困惑した表情を見せた。



 今回は引用ばかり多くて恐縮ですが、何とも笑えないニュースが次々と出てくるのですから困ったものです。あたかもトイレットペーパーを買い占めるかの如き勢いで今度は古米の買い占めに走る人が続出しているとか。原発と原爆の区別も付かない人が多いなら稲わらと米の区別を付けられない人が多くても不思議はないのでしょうか。

まぁ在庫処分の機会と思うほかありません。原発事故の影響を受けるはずもない高知の新米すら売れないと伝えられていますが、「政府の言うことは信用できない」とか「子供に安全なものを食べさせたい」とか言えば、もう何でもありなのでしょう。こうなったら発想の転換ということで、ヒステリーを起こしている人に古米だけではなく放射「能」対策グッズとかを高値で売りつけて、その収益を被災地に寄付するとか考えた方が良いのかも知れません。

 しかしまぁ、これは純然たる風評被害でもあります。東海テレビの「セシウムさん」等々、実態を大きくかけ離れた形で脅威を煽る報道こそが、被災地を孤立させ被災地の産品の価値を貶めているのではないでしょうか。視聴者プレゼントだった岩手県産米「ひとめぼれ」は去年の秋に収穫されたものと推測されますが、原発事故後の収穫ならまだしも(だからといって事故の影響を無限に拡大解釈することが許されるわけではありません)、事故前の米にまで「汚れ」扱いを広げようとする人々こそ、事故を起こした原発以上に害をもたらしている存在と言えます。



 ネット世代のレイシズムは、もしかしたら習慣から発展したものではないかと思えることがあります。つまり、最初からレイシズムに染まってはいたのではなく、外国人への偏見や憎悪の言葉が繰り返される内に、いつの間にかそれが「当たり前」のものとして擦り込まれるようになっていったところもあるように思えるわけです。たぶん最初は、ジョークとして笑いの対象であったものが、いつの間にかそういう言動が「普通」になり、いつの間にか自明の真理であるかのごとく脳裏に刻み込まれていったフシはないでしょうか。

そして放射「能」汚染もまた、レイシズムと同様の過程を経て形成されつつあると感じます。たぶん、東海テレビの制作スタッフにとって「セシウムさん」は軽い冗談のつもりだったのでしょう(大いに悪質ではありますが)。ただ当初は冗談として笑っていたものでも、いつの間にかジョークと事実の壁が忘れられ、当たり前のこととしてさも真実であるかのごとく信じ込まれるようになっていくことは十二分に考えられます。

本当に福島なり近隣県は汚染されているのだ、忌避しなければならないのだと、あたかもレイシストが信じる外国人の危険性と同じノリで、放射「能」の害が実態とはかけ離れたところで「体感」されるようになっていくわけです。そしてこの憎悪は、放射「能」を糾弾するように装いつつ、結局は福島などの被災周辺地域に襲いかかっていくのです。

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