東京電力は2日、福島第1原発の1号機原子炉建屋2階の空調機室で、毎時5シーベルト(5000ミリシーベルト)以上を計測したと発表した。建屋内での放射線量では、6月に同じ建屋の1階で記録された毎時4シーベルトを上回り最高。東電は簡単な遮蔽(しゃへい)方法がないとして、空調機室を立ち入り禁止にした。
計測されたのは、空調機室内にある配管前。ロボットの遠隔操作で見つかった。
原子炉格納容器を破損から守るため圧力を下げる「ベント」の際、容器内の空気はこの配管を通って1、2号機の原子炉建屋の間の屋外にある排気筒から外部に出ていく。1日には排気筒下部の配管で毎時10シーベルトが計測された。東電はいずれも、3月12日のベント時の微粒子が付着したことが原因になった可能性があるとみている。
ロボットは5シーベルトまでしか測定できないため、正確な線量は不明。操作していた作業員は9人で、最大被ばく量は0.2ミリシーベルトだった。
3~5シーベルトを一度に全身で浴びると50%の人が死ぬとされる。東電は、配管内の放射性物質を採取し格納容器の状態を把握する予定だったが、松本純一原子力・立地本部長代理は「別の配管で調べる必要がある。ただし、工程表への影響はない」と語った。
また、東電は2日、集中廃棄物処理施設のプロセス主建屋に隣接し、放射性物質に汚染された機材を保管する「サイトバンカ建屋」に汚染水約700トンが流れ込んだ原因を発表した。両建屋をつなぐ階段の扉の止水工事が不十分だったという。【久野華代、岡田英】
毎日新聞 2011年8月2日 21時24分(最終更新 8月3日 2時05分)