|
石川のニュース 【7月29日02時59分更新】
長谷川派、奥能登で活躍 輪島・町野で涅槃図確認
涅槃図は釈迦(しゃか)入滅の様子を描いた仏画。等伯と関係の深い日蓮宗のほか、真 言宗、曹洞宗でも用いられている。 金蔵寺の涅槃図は、釈迦の母・摩耶夫人(まやぶにん)が画面左上に描かれ、人物や猿 の描写などが長谷川派の涅槃図の特色と一致した。 17世紀初頭の能登で活躍した長谷川派には、等伯の一族ともされる長谷川等誉(とう よ)が知られているが、この涅槃図は空間構成や、釈迦の衣服が等誉のタッチとは異なっ ていた。このため調査団は、この時期の能登には、等誉以外にも複数の長谷川派の絵師が 存在し、宗派を超えて涅槃図制作を請け負っていたとの見方を強めた。 東四柳(ひがしよつやなぎ)史明副団長(金沢学院大教授)は「町野川流域の真言宗寺 院群は相互の結び付きが強い。流域の他の真言宗寺院にも長谷川派の涅槃図が残されてい るかもしれない」と話した。 この日は、能登町石井の曹洞宗蔵福院(ぞうふくいん)も訪れ、長谷川派の影響が一部 にうかがえる江戸中期ごろの涅槃図を確認した。 長谷川等伯ふるさと調査は、北國新聞社が石川県七尾美術館、七尾市の協力で実施し、 のと共栄信用金庫が特別協賛している。
石川のニュース
|