事件船長判断に介入しない「海の管制」 海保は態勢強化  2011.6.24 10:06

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船長判断に介入しない「海の管制」 海保は態勢強化  

2011.6.24 10:06

 機長が管制官の指示に従わなくてはならない局面の多い航空分野とは異なり、操船に関する最終責任が船長に委ねられている海上では、管制の役割は安全に関する情報提供といった限定的なものにとどまる。

 国際海事機関(IMO)が1997年に採択した船舶交通業務に関する指針でも、管制について「安全航行における船長の判断を侵すものではない」と明記。強制力のある「勧告」や「指示」などを出す場合も、航路を外れた船舶に対する注意喚起や航路外での待機など、操船に関与しない場面に限られる。

 今回のように管制官が追い越しの具体的航路を指示して船長の判断に介入することは「海の管制」の権限を逸脱しているといえるが、事故当時、日本ではIMOが定めた情報提供のランクを知らせる通信符号を採用しておらず、「情報提供」と「指示」の境界があいまいになっていた。

 海上保安庁では現在、関係法令を改正して国際基準に合わせた通信符号を使用するとともに、管制業務を監督する「統括運用管制官」を新設。全国7カ所にある海上交通センターに配置し強化を図っている。

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