ざまあみやがれい！

『ＪＡ全中など、東海テレビＣＭの提供中止　誤放送に抗議

東海テレビ（名古屋市）が岩手県産米のプレゼント当選者を「汚染されたお米　セシウムさん」などと
誤って放送した問題で、全国の農協をたばねる全国農業協同組合中央会（ＪＡ全中）が、
６日に東海テレビで放映される番組のＣＭ提供を中止することがわかった。

中止の理由についてＪＡ全中は「問題のテロップは安全安心なコメづくりに励むコメ農家を
愚弄（ぐろう）する内容。抗議の意思を示した」と説明。７日以降の対応は「検討中」という。

ＣＭを中止するのは、フジテレビ系列の全国２８局で６日放送の情報番組「にじいろジーン」。

東海テレビの放送エリアである愛知、岐阜、三重の東海３県のみＪＡ全中のＣＭを流さず、
ほかに差し替える。

番組中に流れるＣＭ提供の告知は全放送エリアで中止する。
http://www.asahi.com/national/update/0805/NGY201108050042.html』

話題としては、メディアが失敗したことを市民がネタとして喜ぶという、いわゆる「メシウマ」の状況だが、この構造は少々複雑にできている。

セシウムさん放送事故の構造
● 放送倫理的にはおもいっきり駄目。メディア倫理の崩落ぶりに国民の怒り心頭。
●だが実は国民はみんな「セシウム汚染あぶない」と漠然と思っているという意味で、今回の事件がことさら風評被害を大きくしたとは思っていない。
●農協の怒りに国民は同情や共感していない。

という感じで、つまりは放送倫理に関してのみ思いっきりクロだが、農協へは潜在的に批判の目が向けられ続けるという形になっている。

農協はセシウム牛などに関してほとんど無策でやってきたわけで、つまりは食の安全を守ろうと努力してこなかったという事実があるからだ。

また、農協に獲得票数などで守られている政治家も多数存在するわけでその癒着に対しても国民の視線は向けられている。セシウム牛放送事故問題で農協が怒る以前に、消費者が農協に怒るべき問題があるという構図だ。食の安全を守るという見地では農協は役に立てなかった。

時系列で整理していくとこういう感じ

●農協と政治家の癒着
↓
●原発事故
↓
●原発事故による農協の無策
放射能汚染に関して農協は無策を貫くことで生産者側の利益を不当に守ろうとした。農協は消費者の役に立とうとしなかった。
↓
●セシウム牛を始めとする汚染農作物の拡散
農協は原発事故に際して、組織として機能していない。消費者への食の安全を保障できなかった。
↓
●セシウムさん放送事故
農協怒った。

このように読み解けば、セシウムさん放送事故が生まれる土壌を作ったのは、JAであったと見ることができる。これは私が強く主張したいところだ。

3.11以降、組織の中から組織を批判し改革しようとする、優れた人材に注目が集まる風潮がある。児玉龍彦氏しかり小出裕章氏しかり古賀茂明氏しかり。これはこれまでの組織では今後うまくいかないのではないかという国民の焦燥感が反映されているのだろう。

逆に言うならば、そういう優れたオピニオンリーダーを排出できる組織は、腐敗していながらにしてまだ人材がいたという点で、最後の最後で踏みとどまっているともいえる。

JAからそういう人物が登場しなければ、それこそJAは救いようがない組織となる。で結論としては残念ながら絶対に出てこない。悔しかったら出てこいと思うが、残念ながらJAからは優れた人材が出てくることがない。これは保証する。なぜなら、JAを変革して日本の農業を変えたい、素晴らしい物にしたい、という人物を登用するシステムが存在しないからだ。

JAが怒ってスポンサーを降りたことには、JAにとってメリットはない。怒りを表明して面子を保つ以外の効果がない。この面子だけがJAが持つ最後のプライドだ。面子だけを持つ無能な組織はとっとと解体してしまったほうがいい。もしくはこのままJAがいすわって農業が崩壊してしまったほうがいい。そのほうが新しい芽が育つ土壌が出来るからだ。

追記）
農協組織を褒めるコメントがはてなブックマークで寄せられています。私の理解を深めるのに役だっています。ありがとうございます。私は農協という組織について言及しています。農家について言及しているのではありません。

>>今回農協以上の対応ができた営農組織どれだけあるのか。出荷規制や共済金融による資金供給等もあった。

これくらいのことは組織として当たり前のようにやることです。出荷規制に関しては十分なものだったとは言えないはずです。残念ながら被害を食い止めるための強烈なリーダーシップはみえて来ないということです。