Windows TIPS
[System Environment]
簡易ファイルの共有機能を利用する
■
Windows XPの簡易ファイルの共有機能を利用すると、簡単に共有フォルダの設定ができる。
■
簡易ファイルの共有では、全ユーザーに対して、読み取りのみとフルアクセスのいずれかのアクセス権しか設定できない。ユーザーごとにアクセス権を設定することはできない。
■
簡易ファイルの共有では、すべてのアクセスはGuestアカウント経由(匿名ファイルアクセス)になる。
簡易ファイルの共有とは
Windows XPには「簡易ファイルの共有(Simple File Sharing)」という機能があり、複数のコンピュータ間で簡単にファイルを共有することができる。これは、従来のWindows 9xやMeのように、アクセスに使用するユーザー・アカウントを意識することなく、どのコンピュータからも自由にファイルを共有するために利用できる機能である。Windows NT系のOS(Windows 2000やWindows Server XP、Windows Server 2003)で利用できる本来のファイル共有機能と比べると、次のような特徴や制限がある。
すべてのアクセスは、「Guest」アカウントを使った、匿名ファイル共有で行われる。匿名ファイル・アクセスについてはTIPS「匿名ファイル・アクセスを許可する 」を参照のこと。
サーバ側から見ると、すべてGuestというアカウントでアクセスされる(パスワードなしのGuestアカウントを有効にしておく)。ファイルを提供する側のコンピュータに、あらかじめアクセスするユーザーのアカウントを作成しておく必要はない。
ワークグループ構成の場合にのみ利用できる(Windows XPインストール直後のデフォルト状態)。ドメイン・ネットワークに参加しているWindows XPでは(基本的には)利用できない。
ファイル共有のアクセス権は「読み取りのみ」か「読み書き可能(フルアクセス)」の2通りのみ。いずれを利用するかは、共有名を作成するときに指定する。
この機能が有効になっていると、NTFSの詳細なセキュリティ設定が行えない(操作を簡単にするため)。詳細は「Windows XPとは何か?―ファイルのセキュリティ設定 」参照のこと。
Windows 9xやMeでは、共有名ごとに読み取りのみかフルアクセスを選択できたが、それとほぼ同じことを実現するのがこの簡易ファイルの共有機能である。ユーザーのログオン名などに関係なく、簡単にファイルを共有するために用意されている。本TIPSでは、その設定方法について解説する。なおこれ以外にも、1台のコンピュータ上の複数のユーザー間でファイルを共有する機能もあるが(ローカルでの共有)、これについてはここでは触れないので、「Windows XPとは何か?―ファイルの共有設定 」を参照していただきたい。
手順1―簡易ファイルの共有の有効化
簡易ファイルの共有機能はデフォルトでオンになっているはずであるが、まずそれを確認しておく。
簡易ファイルの共有機能の有効化
この設定はデフォルトで有効になっているはずなので、それを確認しておく。
これがオンになっていることを確認する。
手順2―共有するフォルダの指定
簡易ファイルの共有を開始するには、まず共有したいローカル・フォルダをエクスプローラ上で右クリックし、ポップアップ・メニューから[共有とセキュリティ]を選択する。すると次のようなダイアログが表示される。これは、まだ共有が1つも作成されていない場合のダイアログの例である。
共有設定の初期状態
簡易ファイルの共有はデフォルトでは無効になっている。1度この画面で承認すると、以後、利用できるようになる。
このメッセージの内容を了承し、クリックすると、以後共有設定を行うことができる。
このように、最初は警告メッセージ( )が表示されているので、これをクリックする。すると、簡易ファイルの共有を利用するための設定ダイアログが表示されるので、ウィザードを利用するか、それとも手動で設定するかを選択する。以下では、手動で設定する場合のダイアログの例を取り上げる。
手順3―共有名の指定
上記の手順2で簡易ファイルの共有を有効化すると、以後は、共有設定のダイアログが次のように変わる。
共有の設定
簡易ファイルの共有では、公開するフォルダ名とアクセス許可(読み出しのみ可かフルアクセス可のいずれか)を選択するだけで、細かいアクセス権の設定はできない。だがその分、簡単に利用できる。
これをオンにすると、このフォルダが共有公開される。
共有名。デフォルトではフォルダ名と同じであるが、別のものに変更することが可能。
これをオンにすると、読み書き可能(フルアクセス可能)な共有になる。デフォルトではオフであり、読み出しのみが可能となっている。
ここで のチェック・ボックスをオンにすると、このフォルダが共有フォルダとしてネットワーク上に公開され、誰からでもアクセスできるようになる。デフォルトではこのフォルダは読み出しのみ可能となっているが、 をオンにすることにより、読み書き(フルアクセス)可能な状態になる。ただしこの場合はセキュリティ設定に注意していただきたい。可能ならばファイアウォールを利用して、アクセスを許可するネットワークを限定するのがよいだろう。
ほかのフォルダを公開したい場合は、同様にして、エクスプローラでフォルダを選んで共有設定を行うだけでよい。もしくは、コマンド・プロンプト上でnet shareコマンドを利用して公開してもよい(TIPS「コマンド・プロンプトでファイル共有を管理する 」参照)。
簡易ファイルの共有で使用されるファイル・アクセス用アカウント
簡易ファイルの共有では、以上のように、非常に簡単に共有を設定できる。通常の共有設定では、アクセスを許可するアカウントを指定したり、フォルダにNTFSのアクセス権を設定するなどの操作が必要であるが、簡易ファイルの共有では、読み出し可/読み書き可を選択するだけでよい。
この簡易ファイルの共有では、クライアントからのアクセスはすべて「Guest」アカウント経由で行われる。ちょうどTIPS「匿名ファイル・アクセスを許可する 」で紹介したのとほぼ同じ状態である。だが、たとえサーバ(簡易ファイルの共有機能を提供している側)とクライアント側(利用する側)に同じアカウント、同じパスワードが登録されていても、そのアカウントは利用されない。例えばUser01というアカウントとパスワードがサーバとクライアントに登録されており、クライアント側でUser01というアカウントでログオンしていても、簡易ファイルの共有にアクセスするときにはGuestアカウントでのアクセス(匿名アクセス)となる(これをForceGuest機能という。この点が先のTIPSの匿名アクセス機能とは異なる)。そのため、サーバ側でNTFSアクセス権を使って、ユーザーごとに細かくアクセス権を設定することができない。すべて「Everyone」アカウントに対するアクセス権設定で判定される。つまり、Everyoneに対して読み取りや書き込みの許可を設定すると、それが簡易ファイルの共有に対するアクセス権として利用される。
ルート・フォルダの共有に関する注意
C:\やD:\など、ドライブのルートを共有公開しようとすると、次のような警告ダイアログが表示される。これはルート・フォルダを公開することによる危険性を警告するものなので、その危険性を承知の上、メッセージ部分をクリックして、共有設定を続行していただきたい。
ルート・フォルダを共有する場合のメッセージ
ルート・フォルダにはシステム・ファイルなどが含まれるので、セキュリティ的にはこれを公開することは望ましくない。そのため、警告メッセージが表示される。
これを了承してクリックしないと、通常の共有設定ダイアログが表示されない。
この記事と関連性の高い別のWindows TIPS
generated by
Windows Server Insider フォーラム 新着記事
キャリアアップ